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アルゼンチン ユンガス

ワインの国の珈琲フロンティア——サルタ州の亜熱帯雲霧林が育むカトゥアイ

マルベックで名高いアルゼンチン北西部・サルタ州のユンガス雲霧林では、カトゥアイ種アラビカが在来樹の日陰で栽培される。Café Baritúなどの小さな生産者が育てるチョコレートとカラメルの風味は、アルゼンチン産コーヒーの新しい可能性を静かに示している


産地情報

産地アルゼンチン・サルタ州 ユンガス(オラン地区・バリトゥ国立公園周辺)
品種カトゥアイ種(Catuaí)
標高ユンガス亜熱帯雲霧林帯(産地・農園の標高範囲は一次資料で未確認)
味わいミルクチョコレート・カラメル・熟した果実・芳醇な香り当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:カトゥアイ(Catuaí)

ブラジルのカンピーナス農学研究所(IAC)で1949年にムンドノーボ(Mundo Novo)とカトゥーラ(Caturra)を交配し、1972年に公表されたアラビカ品種。樹高が低くコンパクトで収量が多く、亜熱帯環境への適応力が高い。ムンドノーボの風味の豊かさとカトゥーラの生産効率を兼ね備え、チョコレートやカラメルの甘みと穏やかな酸が特徴

  • ムンドノーボ×カトゥーラのブラジル育成ハイブリッド品種
  • チョコレート・カラメルの甘みと穏やかな酸のバランス
  • 亜熱帯環境への高い適応力と安定した収量
  • 低樹高で管理しやすくシェードグロウン栽培に最適

アルゼンチン・ユンガスコーヒーとは

アルゼンチン といえばマルベックやフアン・マヌエル・ファンジオ、そしてタンゴ——コーヒーの産地としてイメージする人はほとんどいないだろう。しかし南米大陸の北西部、ボリビアとの国境に近い サルタ州(Salta) の亜熱帯雲霧林「ユンガス」では、小規模ながらアラビカコーヒーが育てられている。

ユンガス(Yungas)とは、アンデス山脈東斜面の雲霧林帯を指す生態系の名称で、ペルー・ボリビア・アルゼンチンにまたがる。

サルタ州の生産者:Café Baritú

サルタ州オラン地区では、「Café Baritú」(フフイ州官報に登記された法人名はCafé Baritú S.R.L.)がコーヒーを手がけている。バリトゥ国立公園に隣接する農場では、ラパチョ・セイボ・野生のオレンジの木の日陰でカトゥアイ種が育てられている。

現在の生産規模

スペシャルティグレードを志向するユンガス産の生産量は現状まだ小さく、大半は国内消費にとどまる。国内でもスペシャルティコーヒー文化が急速に浸透するブエノスアイレスの市場を中心に需要が高まり、「アルゼンチン産コーヒー」への関心は年々増している。


代表的な産地・生産者

代表的な農園

  • Café Baritú(バリトゥ農園)Café Baritú
    📍 アルゼンチン・サルタ州 オラン地区(バリトゥ国立公園隣接)

    Café Baritú S.R.L.が手がけるアルゼンチン産スペシャルティコーヒー。農場ではラパチョ・セイボ等の在来樹の日陰にカトゥアイ種が育つ。チョコレート・カラメル・フルーツの風味と芳醇な香りで知られ、ブエノスアイレスの高級スペシャルティショップへの供給が始まっている


精製方法

ナチュラル(天日乾燥)が主流。 Café Baritúをはじめとするユンガスの農家は、収穫したコーヒーチェリーをそのまま天日で乾燥させるナチュラル精製を採用する。小規模農家で設備投資を最小限に抑えられるだけでなく、チョコレートやカラメルを思わせる豊かな甘みと芳醇な香りがナチュラルプロセスによってより際立つ。在来樹の下で育ったチェリーの果肉が持つ凝縮した糖分が、乾燥中に豆にゆっくりと浸透する。

精製方法

☀️

ナチュラル

Natural / Dry Process

1
収穫→
2
そのまま乾燥→
3
(長期間)→
4
脱穀
ボディ
4/5
クリアさ
2/5
発酵感
5/5

フルーティーで甘みが強い。ベリー系の発酵感とワインのような複雑さ


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

シナモン ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いアルゼンチン ユンガスエチオピア イルガチェフェコロンビア ウイラブラジル サントスNo.2ボリビア ユンガスペルー

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:88〜90℃
  • 挽き目:中挽き〜やや粗め
  • 抽出方法:ペーパードリップ(甘みと香りをクリーンに引き出す)/フレンチプレス(コクと香りを存分に楽しむ)
  • 豆の量:11〜13g / 200ml(11g → カラメルと熟した果実の繊細な甘みが前に出る、13g → チョコレートの濃厚感と香りの奥行きが増す)

基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に折衷値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/ナチュラル精製の甘みを活かすため本産地は下限寄りを推奨
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

訂正(2026-09-29): カトゥアイを「1950年代にブラジルのカンピーナス農学研究所で…交配して開発された」と記載していましたが、カンピーナス農学研究所(IAC)の資料では1949年に交配され、1972年に公表された品種でした。年代を改めました。「アルゼンチンのコーヒー栽培は1970〜80年代にミシオネス州で始まり、その後ユンガスへ焦点が移った」という経緯と、オルティス・バルート一家が「1970年代に同地でコーヒー栽培を試み、廃園の時期を経て再生させた」「半世紀以上かけて育てた」という来歴は、一次資料で確認できなかったため削除しました。これを前提にしていた「ミシオネス州からコーヒー栽培の歴史が始まったため、ブラジル由来のカトゥアイが自然と根付いた」という説明と、Café Baritúを「国内スペシャルティコーヒーのシンボル的存在」「先駆け」とした表現も削除しました。ユンガスの標高「300〜2,500m」、産地の標高「400〜1,200m」、Café Baritúの「約600m」、トゥクマン州の「700〜1,200m」、降水量「年間1,500〜2,000mm」、気温「平均18〜24℃」、産地をフフイ州・トゥクマン州に広げた範囲は一次資料で確認できなかったため削除し、標高欄には未確認と明記しました。この気候の記述を前提にした「世界でも稀有な環境」も削除しました。「2024年時点でサルタ州約35ヘクタール、トゥクマン州約23ヘクタール」、Café Baritúの農場「30ヘクタール」、トゥクマン州を中心とする「最大8,000ヘクタールへの拡大」は一次資料で確認できなかったため削除し、トゥクマン州ユンガス小農家群の紹介欄と「品質評価は着実に高まっており」も外しました。「トゥクマン大学等と連携した品質評価プロジェクトが進行中」と、「農薬・化学肥料は一切不使用の有機栽培」も一次資料(有機認証の記録など)で確認できなかったため、副題・説明文・品種欄・本文・生産者欄・精製方法の欄から削除しました。追加の照合で、生産者を「オルティス・バルート(Ortiz Balut)一家」と記載していましたが、フフイ州官報の登記で確認できたのは法人名「Café Baritú S.R.L.」と「Piedad Graciela Ortiz」の名で、「Ortiz Balut」「Ortiz-Baruto」のどちらの綴りも一次資料で確認できなかったため、一家の名を削除し、登記上の法人名「Café Baritú S.R.L.」に改めました。

訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。


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