
コスタリカ タラス
ハニープロセスの聖地、中米の精製革命
コスタリカ コーヒーはハニープロセスを世界に広めた立役者です。ホワイト・イエロー・レッド・ブラックと色で分類されるプロセスが生む、透き通った甘みとクリーンな酸味の絶妙なバランスが魅力です
産地情報
| 産地 | コスタリカ・タラス地区/セントラルバレー/ウエストバレー |
|---|---|
| 品種 | カトゥーラ種・カトゥアイ種・ヴィラ・サルチ種 |
| 標高 | 1,200〜1,900m |
| 味わい | 赤りんご・蜂蜜・カラメル・桃・クリーンな甘み |
品種情報
品種:カトゥーラ種・ヴィラ・サルチ種(コスタリカ固有)
コスタリカではカトゥーラ種が主流だが、コスタリカ固有の改良品種「ヴィラ・サルチ(Villa Sarchi)」も栽培される。高標高向きで耐寒性があり、ハニープロセスとの相性が抜群。1988年に法律でロブスタ栽培が禁止され、国全体でアラビカ種の品質向上に集中
- 世界で最初にハニープロセスを体系化した国
- 1988年ロブスタ栽培を法律で禁止
- ミクロミル(小規模精製所)が品質革命を牽引
- COEコスタリカ高品質・高価格で有名
コスタリカコーヒーとは
コスタリカはハニープロセスを世界に広めた国として知られます。 ハニープロセスの原型は1990年代にブラジルで「パルプドナチュラル」として開発された手法ですが、2000年代にコスタリカのミクロミル(小規模精製所)がミューシレージの残存量を色で分類する「ハニープロセス」として体系化・普及させました。ホワイト・イエロー・レッド・ブラックの色分けはコスタリカが確立したものです。
国内には8つのコーヒー地域があり、姉妹記事のコスタリカ トレス・リオス・コスタリカ バジェ・オクシデンタル・コスタリカ トゥリアルバではそれぞれ異なる標高・気候が生む個性を紹介しています。隣国のニカラグアやホンジュラスと共に、中米コーヒーベルトの一角を担う産地です。
最新の生産動向:タラス地区だけが拡大した8地域
USDA FAS(米国農務省)の Coffee Annual 2025(2025年5月14日付、報告書番号CS2025-0010)によると、コスタリカの2024/25年度(5月開始)生産はICAFE(コスタリカコーヒー協会)集計で129.8万袋(60kg換算・前年比+12%)まで伸びましたが、隔年周期の裏年にあたる2025/26年度は10%減の117万袋に落ち込む見通しです。2022年のICAFE農地調査では全国の栽培面積が2018年比11.9%減の82,539haへ縮小しましたが、本記事が紹介するタラス地区(ロス・サントス)は28,519ha・前年比+2.1%と、全8地域のなかで唯一拡大した産地でした。2023/24年度の輸出量は約100万袋・輸出額3.29億ドルで、コーヒーはパイナップル・バナナに次ぐコスタリカ農産物輸出3位を占めます。輸出先は米国が長年5割前後を占めていましたが直近では38%まで低下し、ベルギー・スイスなど欧州へのシフトが進んでいます(出典:USDA FAS Costa Rica Coffee Annual 2025)。
代表的な農園・精製所
代表的な農園
- ファインカ・ロサ・ブランカFinca Rosa Blanca🏆 COE Costa Rica 入賞
エコツーリズム農園としても有名。レッド・ハニーを主体に生産し、赤りんごとカラメルの甘みが特徴サステナブルな農業で国際的な評価を得ている
- ドン・オスカル農園(タラス産地)Don Oscar / Tarrazu
コスタリカ最高品質産地のひとつ、タラス地区の代表農園。ウォッシュドとハニーを混合生産し、高い透明感と果実の甘みを両立。日本でも非常に人気が高い
- ラ・ルッカ・ミクロミルLa Luchita Micromill🏆 COE Costa Rica 上位入賞
ウエストバレーのミクロミル系精製所。ブラック・ハニーまで手がけ、ナチュラルに近い濃厚な甘みと複雑さを追求。スペシャルティ市場向け少量生産
精製方法
コスタリカを代表するのがミューシレージを一定量残して乾燥させるハニープロセスで、ウォッシュドとナチュラルの中間的な甘みとクリーンさが出ます。色名ごとの違いなど精製方法全体の整理は精製方法ガイドで解説しています。
精製方法
ハニー(レッド)
Red Honey Process
豊かな甘みとボディ感。赤い果実とキャラメルの風味
フレーバーチャート
おすすめの焙煎度
おすすめの焙煎度
ミディアム ロースト
ポジショニングマップ
ポジショニングマップ
淹れ方のポイント
- お湯の温度:88〜92℃
- 挽き目:中細挽き
- 抽出方法:ペーパードリップ推奨(甘みが最も引き出せる)
- 豆の量:11〜13g / 200ml(11g → 赤りんごと蜂蜜の軽やかな甘み、13g → カラメルと桃の濃厚な甘みがしっかり出る)
📏 基準のエビデンス
- 豆の量:SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準 1:18(200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
- お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
- 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association
参考文献・情報ソース
- Café Britt — A Look into the Tarrazú Coffee Region
- Volcanica Coffee — Tarrazu Coffee from Costa Rica
- Espresso & Coffee Guide — Costa Rica Tarrazu Coffee Beans
- World Coffee Research — Villa Sarchi Variety
- World Brewers Cup — 手動ドリップ世界選手権 公式ルール(参考レシピ基準)
- Sprudge — 2025 WBrC Champion George Peng Recipe(1:14.7 / 96℃)
- USDA FAS — Costa Rica Coffee Annual 2025(CS2025-0010、地域別栽培面積・輸出統計)
コーヒーをもっと知る
ハニープロセスの甘さは、ウォッシュドともナチュラルとも違う個性です。他のハニー精製と飲み比べたことはありますか?
産地の映像はYouTube Shorts、書き手の考えはnoteでも発信しています
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