Ogasaka CT
2004-05デビューの長寿旗艦――国産プレス・カービング・快適な弧のオールラウンダー
Ogasaka(オガサカ)が2004-05シーズンに投入した「CT(Comfort Turn)」の解説――1912年創業・飯山の日本最古スキーメーカーが誇る国産プレスの精度を背景に、ラウンドノーズ+ラウンドテール+キャンバーのディレクショナルで「快適なカービングの弧」を追求した旗艦オールラウンドモデル。20年以上ラインの中心に居続ける、日本製スノーボードの基準器

「CT」は Ogasaka Snowboards のオールラウンド旗艦。モデル名は 「COMFORT TURN(快適な弧)」の頭文字 で、ラウンドノーズ+ラウンドテール+キャンバーのディレクショナルで「軽い荷重でエッジが立ち、狙った方向に板が曲がっていく快適さ」を追求した一枚です。「迷ったら CT」と言われるほど、日本のスノーボード市場で20年以上ラインの中心に居続ける、日本製スノーボードの基準器です。
初登場:2004-05シーズン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初登場シーズン | 2004-05(ソフトフレックス・フリースタイルボードとして登場) |
| ブランド起源 | 1912年、飯山市の小笠原浜太郎が地元学校の依頼を受けて40本のスキーを製作→日本最古のスキーメーカー誕生 |
| スノーボード参入 | 1987年(Ogasaka Ski Manufacture Co., Ltd. によりスノーボード部門を設立) |
| モデル名の由来 | Comfort Turn(快適な弧)=軽い荷重で弧が始まり、エッジが安定して乗り続けられる感覚 |
| 立ち位置 | フリースタイル/オールラウンドの旗艦。139〜161cmまでオガサカ最多のサイズ展開 |
| 製造 | 長野県飯山市の自社工場(国産プレス) |
Ogasaka 公式ブランド史には「2004-05 シーズン:ソフトフレックス・フリースタイルボード CT を投入」と明記されている(出典: ogasaka-snowboard.com/brand_history_e.html)。
1912年の飯山から始まった国産ものづくり
CT を語るには、まず製造者の背景が要ります。1912年、長野県飯山市の小笠原浜太郎が地元の学校から「スキーを作ってほしい」と依頼を受け、40本のスキーを手がけたのが Ogasaka の始まり。以来100年以上、飯山という豪雪地帯に工場を構え、スキーとスノーボードを国産プレスで作り続けています。
- 飯山の気候:年間積雪量3〜4mを超えることもある豪雪地帯。製品テストを行う山が工場のすぐそばにある
- 金属サンドイッチ構造の先駆け:1996-97シーズンに「世界初のメタル・サンドイッチ・スノーボード」を発表。以後、FC シリーズや CT-S など高性能モデルに継承された技術
- 国産プレスの精度:海外委託ではなく自社工場でのハンドプレス。板の曲がり方や反発の均質性を管理できる点がライダーや検定受験者から信頼される理由の一つ
シェイプ
CT の核は 「ラウンドノーズ」「ラウンドテール」「ディレクショナル」「キャンバー」 の組み合わせ。フリースタイル板としてはオーソドックスな形状ながら、ソフトフレックス+長い実効エッジ(コンタクトレングス)で「弧の長さとグリップ感」を最大化するように設計されています。
Ogasaka CT(25-26 現行 156cm)

画像:Ogasaka CT(25-26シーズン)トップデッキ&ソール
出典:Ogasaka Snowboards 公式
※ 2004-05デビュー以来、ラウンドノーズ+ラウンドテール+ディレクショナルの基本シェイプは現行まで継承
開発ライダー稲川光伸は「カービングから荒れたコースの高速走行、パウダー、パークジャンプ、グラトリまで、ストレスなく対応できる万能性」を CT の核心と語っています。ウエスト247mm(156cm 版)は現代的なオールラウンド基準に沿っており、大きすぎず小さすぎず、さまざまなスタンス幅に対応します。
スペック
初代(2004-05)のカタログ寸法は現在入手できないため、下表は確証可能な現行値と途中の主要変更点を記載しています。
| 項目 | CT(25-26現行・156cm) |
|---|---|
| 全長 | 1,560mm |
| 実効エッジ | 1,240mm |
| コンタクトレングス | 1,200mm |
| ノーズ幅 | 290mm |
| ウエスト幅 | 247mm |
| テール幅 | 290mm(ラウンドテール) |
| サイドカット半径 | 8,700 / 8,400 / 8,700mm(トリプルラジアス) |
| セットバック | 18mm(テール側へ) |
| 推奨スタンス幅 | 560mm |
| キャンバー形状 | キャンバー(従来型) |
| フレックス | 3/5(ソフト〜ミディアム) |
| コア材 | NV Core |
| 補強 | Glass Fiber Carbon Composite |
| ベースプレート | Type-S(143〜161cm) |
| エッジ | ステンレス |
| ソール | シンタードグラファイト・サンディング仕上げ・コンベックスソール |
| メーカー希望小売価格 | ¥114,400(標準)/ ¥116,600(ワイド) |
データソース:Ogasaka CT 製品ページ(ogasaka-snowboard.com)、スノーボード解説note(名取崇史)
サイズチャート(25-26 スタンダード)
| サイズ | 主な対象 |
|---|---|
| 139cm | 子ども〜小柄な方 |
| 143cm | 小柄な方・ジュニア |
| 146cm | ジュニア〜小柄な成人 |
| 148cm | 小柄〜標準体型 |
| 150cm | 標準体型(男性・小) |
| 152cm | 標準体型 |
| 154cm | 標準体型 |
| 156cm | 標準〜やや大きめ(推奨メイン層) |
| 158cm | 身長175cm以上・体重75kg前後 |
| 161cm | 大柄・パワーライダー |
| 154W / 156W / 158W | ワイドモデル(足幅・ドレイク系スタンス対応) |
※ Ogasaka はサイズ選定に全長だけでなく「コンタクトレングス(実接雪長)」の確認を推奨。CT は同全長の他ブランドより接雪長が長めで、テールが硬く感じやすいことがある。
年代を通じての変化メモ
- 2004-05:CT 初登場。ソフトフレックス・フリースタイルボードとして発表。ラウンドノーズ+ラウンドテール+ディレクショナル
- 2013-14:金型(モールド)の大規模更新。ディレクショナル寄りにシェイプを最適化
- 2015-16:ハードフレックス派生モデル「CT-S」登場。CT と CT-S で二段構えのラインアップへ
- 2018-19:「CT-IZ」登場。CT と CT-S の中間フレックス・軽量仕様として位置づけ
- 現行(25-26):スタンダードサイズのサイドウォールを微調整しグリップを向上。ワイドモデルのカラーを刷新
評価
- 「迷ったら CT」の理由:フレックス3/5のソフトめな設定で、軽い荷重でも板が曲がり始めが素直。キャンバーによる反発もあり、カービングの弧が広く、かつ安定して保てる。バッジテストやインストラクター検定の合格者が多く使う板として知られるのは、技術の正確さを素直に評価してくれる特性から
- コンタクトレングスの長さ:156cm で 1,200mm という接雪長は同全長帯では長め。エッジグリップが強くカービング中の安定感に直結するが、グラトリや細かいトリックではテール側の硬さとして感じやすい。板選びの際はコンタクトレングスを確認する価値がある
- 国産プレスの恩恵:工場が長野・飯山にあり、品質管理が一貫している。同じモデルでも年式や個体差が少なく、カタログ値通りの動きをするという評価が多い
- 春雪・アイスバーン・コブにも強い:ステンレスエッジ+シンタードグラファイトソールは滑走性と耐久性を両立。春の重い雪でもソールの剥がれやエッジが丸まりにくい
- 限界:荒れたコースの高速域(特に 50km/h 以上)でやや板がバタつくという評価がある。より剛性を求めるならば CT-S、または FC へ。ハーフパイプ・スロープスタイル競技にも向かない設計
使用ライダー
- 相澤盛夫(あいざわ もりお):Ogasaka 最長キャリアのチームライダー。1996-97に「MX-Limited」という専用シグネチャーモデルを持ち、CT デビュー前後を含む時代に Ogasaka の方向性を現場で支えたベテラン
- 稲川光伸(いながわ みつのぶ):CT の開発ライダー。「カービングから荒れたコースの高速走行、パウダー、パークジャンプ、グラトリまで」の幅広い用途に対応する性格を現場から引き出した人物
- チーム全体:現在 日本人61名・海外7名の計68名。若林真樹、太田賢哉、黒木あかり ら、カービング系からフリースタイル系まで幅広い層が CT または CT 系統のボードを使用
日本製オールラウンドボードの基準
- 同類カテゴリ:Burton Custom(キャンバー・オールラウンド旗艦)、Lib Tech Skate Banana(アンチキャンバー系)、K2 Gyrator(ツイン寄りオールラウンド)などと並ぶ「万能型の主軸板」群が同じ棚に並ぶ
- CT の位置:日本の検定・スクール文化において「技術を正確に反映してくれる板」として特異な地位を確立。海外の有名モデルが「乗り手を助ける方向(ロッカー・フレックス調整等)」に振りがちな時代においても、CT はオーソドックスなキャンバー+ディレクショナルを守り続けている
- 20年で変わらなかったもの:ラウンドノーズ+ラウンドテール、ディレクショナル、キャンバー、ソフト〜ミディアムフレックス、という4点は 2004年から現行まで不変。「快適な弧」の追求だけがずっと軸にある
参考文献
- Ogasaka CT 製品ページ(25-26)— Ogasaka Snowboards 公式
- Brand History — Ogasaka Snowboards 公式(英語)
- OGASAKA の誇るオールラウンドボードの代表モデル「CT」— SBN FREERUN JAPAN
- 【気になる点】OGASAKA「CT」ボード解説 — スノーボード解説note(名取崇史)
- オガサカスノーボード試乗会レビュー【CT-IZ CT-S FC】— 48rider.com
- Japan’s oldest ski manufacturer — Ski Asia
- OUR HISTORY — ORO Brands(Ogasaka 公式アーカイブ)
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