コーヒーを淹れる湯温は何度がベストか

SCAの基準は93〜96℃——ただし焙煎度が深いほど低めの温度が向く

コーヒーを淹れる湯温はSCAのGolden Cup Standardで93〜96℃(200°F±5°F)が目安とされています。焙煎度による適温の違いと、湯温が抽出に与える影響を一次資料ベースで整理します


この記事の要点

  • SCA(スペシャルティコーヒー協会)のGolden Cup Standardは、抽出時の湯温を93〜96℃(200°F±5°F、摂氏93±3℃)と定めている
  • 湯温が低いほど抽出は進みにくく、高いほど短時間で抽出が進みやすい
  • 焙煎が浅い豆は組織が密で溶け出しにくいため高めの湯温、深煎りの豆は多孔質で溶け出しやすいため低めの湯温が向くとされる
  • 目安として浅煎りは96℃前後、深煎りは90℃前後まで下げると過抽出(苦味・渋み)を避けやすい
  • コールドブリューは熱湯を使わず常温〜冷水で長時間かけて抽出する、湯温そのものを使わない抽出方法

「ケトルの温度計、必要?」と思うかもしれませんが、湯温は抽出収率を左右する変数の1つです。品種による豆の密度差もありますが、まず影響が大きいのは焙煎度です。SCA(スペシャルティコーヒー協会)が定める基準値と、焙煎度に応じた調整の考え方を整理します。

SCAの基準は93〜96℃

SCAのGolden Cup Standardでは、コーヒー粉に触れる時点での湯温を200°F±5°F(摂氏でおよそ93〜96℃、中心値93.3℃±3℃)と定めています。この範囲はコーヒーが苦くなる原因と酸っぱくなる原因は何が違うのかで扱った抽出収率18〜22%を狙うための条件の1つで、比率・挽き目・抽出時間とセットで機能します。

湯温が95℃を超えて沸騰(100℃)に近づくと、短時間でも抽出が進みすぎて苦味・渋みが出やすくなります。逆に90℃を大きく下回ると、抽出が追いつかず酸味だけが際立つ抽出不足になりやすいとされています。

焙煎度によって適温は変わる

SCAの基準値はあくまで中心値であり、実務では焙煎度に応じて上下に調整するのが一般的です。焙煎が進むほど豆の細胞構造が壊れて多孔質になり、成分が溶け出しやすくなるためです。

焙煎度 豆の構造 目安の湯温
浅煎り 組織が密で溶け出しにくい 96℃前後(高め)
中煎り SCA基準に近い 93℃前後
深煎り 多孔質で溶け出しやすい 90℃前後(低め)

浅煎りの豆は焙煎時間が短く組織が比較的密なままのため、高めの湯温で押し出すようにしないと風味が十分に引き出せません。一方で深煎りの豆はすでに多孔質になっているため、高い湯温だと過抽出になりやすく、湯温を下げることで苦味・渋みを抑えられます。焙煎による味の違い自体はコーヒーの焙煎(ロースト)解説で詳しく解説しています。

湯温を使わない抽出方法もある

すべての抽出が熱湯を必要とするわけではありません。コールドブリューは常温〜冷水を使い、12〜24時間かけてゆっくり抽出する方法で、湯温という変数そのものを使わず時間で補います。ホットブリュー(熱湯抽出)とコールドブリューの酸味・カフェイン量の違いはアイスコーヒーとコールドブリューは何が違うのかで査読研究をもとに整理しています。

まとめ

湯温はSCA基準で93〜96℃が中心値ですが、焙煎度に応じて浅煎りは高め・深煎りは低めに調整するのが実践的です。比率・挽き目・抽出時間とあわせて、抽出収率18〜22%を狙う1つの変数として湯温をコントロールしてください。比率の調整幅はコーヒーの豆と水の比率は何対何が正解かもあわせてご覧ください。

よくある質問

コーヒーは何度のお湯で淹れるのが正解ですか
SCAのGolden Cup Standardでは93〜96℃(200°F±5°F)が目安とされています。ただしこれは基準の中心値であり、焙煎度や好みの味わいによって上下に調整されます
深煎りの豆は湯温を下げた方がいいですか
はい。深煎りの豆は焙煎で組織が多孔質になっており、熱湯だと成分が溶け出しやすく過抽出(苦味・渋み)になりやすいため、90℃前後まで下げるとバランスが取りやすいとされています。逆に浅煎りは組織が密なため、高めの湯温(96℃前後)が向いています
沸騰したお湯をそのまま使ってもいいですか
沸騰直後(100℃)はSCA基準の上限より高いため、多くの場合は過抽出(苦味・渋み)につながりやすいとされています。沸騰後30秒〜1分ほど置いて温度を落としてから使うと基準の範囲に収まりやすくなります

コメント

コメントを書く

閲覧数 読み込み中

最新情報をフォロー

各SNSでも記事・動画を発信しています