
パナマ ボルカン
バル火山を挟んでボケテの反対側、チョコレートとナッツの落ち着いた甘み
同じチリキ州でもゲイシャで名を馳せたボケテとはバル火山を挟んで反対側。カトゥーラ・カトゥアイなどが育つ火山灰土壌の産地で、チョコレートとナッツの落ち着いた甘みが持ち味です
産地情報
| 産地 | パナマ・チリキ州ボルカン地区(バル火山西麓) |
|---|---|
| 品種 | カトゥーラ種・カトゥアイ種(一部ゲイシャ種) |
| 標高 | 地域全体の栽培標高は一次資料で未確認(ヤンソン農園の公表値は1,350〜1,700m) |
| 味わい | ミルクチョコレート・ナッツ・ストーンフルーツ、穏やかなリンゴ酸、ミディアムボディ当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。 |
品種情報
品種:カトゥーラ種・カトゥアイ種
ボルカンではカトゥアイ種・カトゥーラ種などが栽培され、一部の農園ではゲイシャ種も育てられている(品種別の構成比は一次資料で未確認)。産地はバル火山の西斜面に広がり、カップは穏やかな酸とナッツ・チョコレートの落ち着いた甘みを持つ
- チリキ州の主要産地(ボケテ・ボルカン-カンデラ・レナシミエント)の一つ
- バル火山を挟みボケテと反対側に位置、微気候が異なる
- カトゥアイ種・カトゥーラ種などを栽培
- ボケテより知名度が低い
ボルカンコーヒーとは
ボルカンは、パナマ西部チリキ州にそびえるバル火山(Volcán Barú)の西麓に広がる産地です。東麓に位置し、ハシエンダ・ラ・エスメラルダのゲイシャ種がベスト・オブ・パナマへの出品で注目を集めたパナマ ボケテのコーヒーとは同じ火山を挟んだ反対側にあたり、火山性の土壌や冷涼な気候といった基本条件はよく似ていますが、山の向きが変わることで日照・風の当たり方が異なり、微気候には明確な違いが生まれています。
地域全体に共通する栽培標高は一次資料で確認できていませんが、パナマ・スペシャルティコーヒー協会(SCAP)に掲載されたヤンソン農園の標高は1,350〜1,700mです。ゲイシャ種の稀少ロットで知られるボケテに対し、ボルカンではカトゥアイ種・カトゥーラ種などが栽培されています(品種別の構成比は一次資料で確認できていません)。この違いがカップの個性にも表れ、ジャスミンやベルガモットのような華やかな香りで知られるパナマゲイシャがオークションで高騰したのとは対照的に、ボルカンはミルクチョコレート・ナッツ・完熟したストーンフルーツを思わせる落ち着いた甘みと、穏やかなリンゴ酸のバランスが持ち味です。
パナマ政府の投資促進サイト(PROPANAMA)は、チリキ州の主要産地としてボケテ、ボルカン-カンデラ、レナシミエントを挙げています。パナマ農業開発省(MIDA)の2022年の発表では、チリキ州のコーヒー生産面積は6,434.99ha、生産者は1,154人です。華やかさよりも安定した甘みとコクを求める場面に向く産地です。
代表的な産地・農園
代表的な農園
- ヤンソン・コーヒーファームJanson Coffee Farm
ヤンソン家の農園で、同社サイトは1990年からコーヒーを手がけているとしている(それ以前の沿革は一次資料で照合できていない)。殺虫剤・除草剤を使わず、微生物資材による土壌管理と太陽光発電を取り入れた環境配慮型の栽培を続けている
精製方法
精製方法
ウォッシュド
Washed / Wet Process
豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴
フレーバーチャート
おすすめの焙煎度
おすすめの焙煎度
ミディアム ロースト
ポジショニングマップ
ポジショニングマップ
淹れ方のポイント
- お湯の温度:85〜90℃(チョコレート・ナッツの甘みを丸く引き出す)
- 挽き目:中挽き
- 抽出方法:ペーパードリップ。中煎りでミルクチョコレートとストーンフルーツのバランスが際立つ
- 豆の量:12〜14g / 200ml(12g → すっきりとしたリンゴ酸、14g → ナッツ・チョコレートの濃厚な甘み)
📏 基準のエビデンス
- 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
- お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
- 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association
目的別に次に読む
- パナマのほかの産地と比べたい → パナマ ボケテのコーヒー
- パナマゲイシャの価格を知りたい → パナマゲイシャはなぜここまで高騰したのか
- 隣国コスタリカの産地と比べたい → コスタリカ タラス
- ゲイシャを詳しく知りたい → ゲイシャコーヒーとは
- 中米の産地を一覧で見たい → 中米地域の産地
訂正(2026-09-29): 代表農園として「ラ・モンタニェーサ農園(ビア・ボルカン)」を「チリキ州サンタクララ(ボルカンとリオ・セレノの間)」として紹介していましたが、パナマ農業開発省(MIDA)などの資料ではサンタクララの農園はレナシミエント地区とされ、ボルカンとは別の産地にあたるため、ボルカンの代表農園から外しました。同農園の「23ヘクタール」「2007年からエロイ・ゴンザレス氏が現場管理」「2008年に水洗設備を導入」も一次資料で確認できませんでした。栽培標高を「1,200〜1,800m(主要農園は1,200〜1,500m)」、ヤンソン農園を「1,200〜1,700m」と記載していましたが、地域全体の標高は一次資料で確認できず、パナマ・スペシャルティコーヒー協会(SCAP)に掲載されたヤンソン農園の標高は1,350〜1,700mでしたので改めました。「ボルカンで最も多く栽培されているのはカトゥアイ種」「カトゥーラ・カトゥアイが主体」と記載していましたが、品種別の構成比は一次資料で確認できなかったため、栽培される品種の列挙に改めました。「カッピング品質の高さの割に手頃な価格帯で取引される傾向」「知名度の割に手が届く価格帯」「品質の割に価格が手頃」など価格に関する記述は、時点や取引条件を示す資料がないため削除し、副題も改めました。「チリキ州の主要3産地(ボケテ・ボルカン・レナシミエント)」は、パナマ政府の投資促進サイト(PROPANAMA)の記載に合わせて「ボケテ・ボルカン-カンデラ・レナシミエント」としました。ヤンソン農園の「1941年にカール・アクセル・ヤンソン氏が開いた牧場を起源」「1990年に息子たちが正式創業」「ティシンガル火山とバル火山の間」は照合で確認できなかったため削除し、同社サイトの「1990年から」の範囲に改めました(ティシンガルは同社の農園名でもあり、火山名と混同しないよう所在の記述から外しました)。
訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。
訂正(2026-10-06): ボケテを「2004年のオークションでゲイシャ種が世界を驚かせた」と紹介していましたが、主催団体のパナマ・スペシャルティコーヒー協会(SCAP)の農園紹介はハシエンダ・ラ・エスメラルダが2004年にゲイシャを初出品して受賞したとし、World Coffee Researchは2005年の出品で注目を集めたとしており、2004年の落札額もSCAPの記録で確認できないため、年と「オークションで世界を驚かせた」という表現を外し、「ベスト・オブ・パナマへの出品で注目を集めた」に改めました。
訂正(2026-10-16): 品種欄で「ミネラル分の豊富な火山灰土壌と、バル火山の西斜面特有の冷涼な微気候が組み合わさり、穏やかな酸とナッツ・チョコレートの落ち着いた甘みを持つカップに仕上がる」、本文で「火山性のミネラル豊富な土壌」と記載していましたが、火山(火山灰・火山性土壌)と風味の因果や土壌のミネラル量を示す一次資料は確認できなかったため、品種欄を「産地はバル火山の西斜面に広がり、カップは穏やかな酸とナッツ・チョコレートの落ち着いた甘みを持つ」に改め、本文の「ミネラル豊富な」を削除しました。
参考文献・情報ソース
- 1Zpresso — Panama Coffee Guide: Geisha, Regions, and Flavor
- Dulce Tropical — Panama Coffee Growing Regions: Boquete, Volcán, and Renacimiento
- Sucafina — Panama Origins Overview
- Janson Coffee — From Our Farm to Your Cup Since 1990
- SCAP(パナマ・スペシャルティコーヒー協会)— Janson(農園紹介・標高1,350〜1,700m)
- PROPANAMA(パナマ商工省)— Café y cacao(チリキ州の主要産地)
- MIDA(パナマ農業開発省)— Se prevé un incremento en la producción de café en Chiriquí(2022年)
- USDA FAS — Coffee: World Markets and Trade
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