
パプアニューギニア イースタンハイランズ州
コーヒー研究の拠点が支える小農家3000軒のオーガニック産地
PNG第2位の産地イースタンハイランズ州は、ゴロカとカイナントゥを核に標高1,548〜1,898mでコーヒーを栽培。国営研究所アイユラと、プロサ・オカパ地区の小農家組合HOACがオーガニック・フェアトレードの品質を支える
この記事の要点
- 産地はパプアニューギニア東部高地州(ゴロカ〜カイナントゥ)、標高1,548〜1,898m
- PNG国内生産量の約3分の1を占め、西部高地州に次ぐ第2位の産地
- ティピカ・ブルボン・アルーシャの3品種を小農家が「コーヒーガーデン」で栽培
- プロサ・オカパ地区の組合HOACは2,600軒の農家が加盟するPNG最古参のフェアトレード団体
- 州都ゴロカにはコーヒー産業公社(CIC)本部、カイナントゥ近郊アイユラには国内唯一の品種・耐病性研究所がある
産地情報
| 産地 | パプアニューギニア・東部高地州(ゴロカ〜カイナントゥ) |
|---|---|
| 品種 | ティピカ種・ブルボン種・アルーシャ種 |
| 標高 | 1,548〜1,898m |
| 味わい | レモン様の柑橘・チョコレート・スパイス・ティーライクな軽やかなボディ |
品種情報
品種:ティピカ種・ブルボン種・アルーシャ種
1926年にオーストラリア人入植者がジャマイカ・ブルーマウンテンの種を持ち込んだのがPNGコーヒーの起源(詳細は西部高地州シグリ参照)。東部高地州のプロサ・オカパ地区では、その系統のティピカ種に加え、ブルボン種、そしてタンザニア原産でティピカとブルボンの自然交配種とされるアルーシャ種の3品種が小農家によって栽培される。多くは自宅の庭先や斜面に数十〜数百本を植える「コーヒーガーデン」形態で、大農園中心の西部高地州とは栽培構造が異なる
- PNG国内生産量の約3分の1を占める第2位の産地
- ティピカ・ブルボン・アルーシャの3品種が中心
- 小農家の「コーヒーガーデン」形態が主流
- ゴロカ・カイナントゥの標高1,548〜1,898mで栽培
コーヒー研究の拠点が置かれた産地
パプアニューギニア東部高地州は、西部高地州のシグリ・ワギ渓谷と並ぶPNG二大産地のひとつで、国内生産量の約3分の1を占める第2位の州です(コーヒー産業公社CIC調べ)。 州都ゴロカから東へカイナントゥへ抜ける一帯が主産地で、標高は1,548〜1,898mとCICが公式に示しています。
この州が他産地と一線を画すのは、コーヒー産業を支える公的インフラが集中している点です。 ゴロカにはPNG全土のコーヒー行政を統括するコーヒー産業公社(CIC)本部が置かれ、カイナントゥ近郊のアイユラにはPNG唯一の品種改良・耐病性研究を担う国立研究所があります。 毎年9月にはゴロカ・ショーという伝統文化の祭典が開かれ、コーヒーとともに地域の顔として知られています。
代表的な生産地・組織
代表的な農園
- HOAC(プロサ・オカパ地区)Highlands Organic Agricultural Co-operative
PNG最古参級のフェアトレード認証団体のひとつ。小農家2,600軒が加盟し、ティピカ・ブルボン・アルーシャ種を有機栽培。フェアトレードプレミアムは道路整備や小学校4校の新設など地域インフラに還元されている
- ゴロカ(州都・集荷拠点)Goroka
コーヒー産業公社(CIC)本部を擁する州都。周辺小農家が持ち寄るパーチメントコーヒー(通称Y-grade)の一大集荷地で、PNG輸出量の大半がこの経路を通る。毎年9月開催のゴロカ・ショーでも知られる
- アイユラ研究所(カイナントゥ近郊)Aiyura Research Station
カイナントゥの町から約10kmに位置するCICの中央研究所。品種の適応試験やさび病等の耐病性研究を担い、PNG全土で栽培される品種選定に影響を与えている
精製方法
精製方法
ウォッシュド
Washed / Wet Process
豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴
小農家が手摘みした果実は各家庭やHOACのような組合が持つ小型パルパーで果肉を除去し、発酵・水洗を経てパーチメント(内果皮付き)のまま乾燥させ、ゴロカの集荷業者に持ち込む「Y-grade」と呼ばれる流通形態が一般的です。
フレーバーチャート
フレーバーチャート
おすすめの焙煎度
おすすめの焙煎度
シナモン ロースト
柑橘系の酸味とスパイスの香りを活かすなら中浅煎りがおすすめです。
ポジショニングマップ
ポジショニングマップ
淹れ方のポイント
- お湯の温度:86〜90℃
- 挽き目:中挽き
- 抽出方法:ペーパードリップ推奨(レモン様の酸味とスパイシーな香りを引き立てる)
- 豆の量:11〜13g / 200ml(11g → 柑橘系の酸味と香りが軽やかに際立つ、13g → チョコレート感とティーライクなコクが増す)
📏 基準のエビデンス
- 豆の量:SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準 1:18(200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
- お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に浅煎りは低温寄り)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
- 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association
参考文献・情報ソース
- Coffee Industry Corporation(CIC)— Eastern Highlands Province
- Coffee Industry Corporation(CIC)— 公式サイト
- Business Advantage PNG — Eastern Highlands Province Business Guide
- Montville Coffee — Papua New Guinea Purosa(HOAC)
- Perfect Daily Grind — A Guide to Papua New Guinea’s Coffee Sector
- IFPRI — Opportunities and Challenges for Coffee Production in PNG’s Highlands
同じパプアニューギニアでは大農園中心のパプアニューギニア シグリ、南太平洋の隣国では同じメラネシア地域のソロモン諸島 ガダルカナルも参考にしてください。
よくある質問
- イースタンハイランズ州はPNGコーヒーの中でどんな位置づけですか?
- 西部高地州に次ぐ国内第2位の産地で、PNG全体の生産量の約3分の1を占めます。州都ゴロカは小農家が担ぐパーチメントコーヒー(通称Y-grade)の集荷拠点であり、コーヒー産業公社(CIC)の本部も置かれています
- HOACとはどんな組織ですか?
- Highlands Organic Agricultural Co-operativeの略で、プロサ・オカパ・イヴァンゴイ地区の小農家2,600軒が加盟するPNG最古参のフェアトレード認証団体のひとつです。標高1,300〜1,750mでティピカ・ブルボン・アルーシャ種を有機栽培し、プレミアムを道路整備や小学校建設に還元しています
- 西部高地州シグリとはどう違いますか?
- [パプアニューギニア シグリ](/blog/papua-new-guinea-sigri/)は西部高地州ワギ渓谷の大農園によるティピカ種が主体です。対してイースタンハイランズ州は小農家が中心で、ゴロカ・カイナントゥ一帯の標高1,548〜1,898mという公式データがある産地。フルーティで軽やかなティーライクのカップが特徴です
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