K2 Niseko Pleasures

ニセコ拠点のチームライダー Yo Amagai が仕上げた、日本の低角度パウダーに向けたテーパードディレクショナル

K2ニセコYo Amagaiパウダーボードテーパードディレクショナル

K2 Snowboarding が2021年に投入した「Niseko Pleasures」の解説――ニセコを拠点とするチームライダー Yo Amagai が人気モデル「Simple Pleasures」を土台に、日本の低角度・深雪地形向けにねじれ剛性とキャンバープロファイルを調整した一枚。20mmテーパーの幅広ウエストと Bambooyah コアで、パウダーの浮力とグルーマーでの取り回しを両立する


「Niseko Pleasures」は K2 Snowboarding が 2021年に投入したテーパードディレクショナルボード。北海道ニセコを拠点とする K2 のグローバルチームライダー Yo Amagai(天海洋) が、人気モデル「Simple Pleasures」をベースに、地元の知見を反映して低角度・深雪の日本の地形向けに仕立て直した一枚です。名前の由来もそのままニセコ。パウダーとグルーマーの両方をカバーする、上級〜エキスパート志向のフリーライド機として展開されています。

開発の経緯:Simple Pleasures からの派生

項目 内容
初登場年 2021年(2020/21 シーズン)
開発関与 K2 グローバルチームライダー Yo Amagai(ニセコ拠点)
ベースモデル K2 Simple Pleasures(K2 Enjoyer シリーズの主力機)
開発の狙い 低角度・深雪の日本の地形に向けたボード
対象ライダー 上級〜エキスパート

K2 は Simple Pleasures を「Enjoyer シリーズの旗艦」と位置づけ、ディレクショナルキャンバーに Tweekend ティップを組み合わせたモデルとして展開してきました。Amagai はこれを土台に、ねじれ方向のフレックスをより柔らかく調整し、キャンバープロファイルを更新してパウダーでのターン導入とグライドを改善、さらにテールに早めのライズを追加しています。Japan Grabs のレビューは「Simple Pleasures よりユーザーフレンドリーになり、操作性と遊び心が増した」と評しています。

シェイプ

K2 Niseko Pleasures 2025年モデル(左:トップデッキ/右:ベース)黒基調にグレーの迷彩グラフィック、テール寄りにピンクのアクセントとK2ロゴ

画像:K2 Niseko Pleasures(2025年モデル)
出典:Tactics.com(K2 取扱店製品画像)

テーパード・ディレクショナルのシルエットに、通常より幅広のウエストと 20mm のテーパー(ノーズ−テール差)を組み合わせたシェイプ。長めのノーズと絞り込んだテールが深雪でのノーズの浮きを助け、グルーマーでも取り回しやすいバランスに仕上げられています。the good ride のレビューは 2023/24 モデルを「very tapered directional shape(かなりテーパーの効いたディレクショナル形状)」「mellow directional camber profile(穏やかなディレクショナルキャンバー)」と表現しています。プロファイルは 2021年モデル発表時点では Hybrid Rocker/Camber と紹介されており、その後のモデルイヤーでディレクショナルキャンバーへと調整されてきた経緯があります。

スペック(151cm/156cm)

項目 151cm 156cm
サイズ表記(全長目安) 151cm 156cm
有効エッジ 1120mm 1170mm
ウエスト幅 261mm 271mm
ノーズ幅 309mm 321mm
テール幅 287mm 299mm
テーパー量 20mm(ノーズ−テール) 20mm(ノーズ−テール)
サイドカット半径 7.4m 7.7m
セットバック 0.75インチ(約19mm) 0.75インチ(約19mm)
ベント ディレクショナルキャンバー(ノーズに軽いロッカー) 同左
フレックス(10段階) 6(ミディアム) 6(ミディアム)
コア Bambooyah™(バンブー+アスペン+桐の複合)Pro Core 同左
構造 Biaxial Glass(バイアックスグラス) 同左
ベース Carbon Infused 5500 Sintered Race Base 同左
サイドウォール ワックス可能な P-Tex 同左
トップシート SnoPhobic™(雪離れ処理) 同左
対応ブーツサイズ目安(US) 12以下 15以下
体重目安 50kg〜(110lbs〜) 59kg〜(130lbs〜)

データソースは末尾の参考文献セクション参照(Tactics.com 製品ページの数値を基準に、K2 公式・evo・snowboard-review.com 等でクロスチェック)。

パウダー+グルーマー両対応の設計

  • 20mm テーパー+幅広ウエスト:ノーズを長く、テールを絞ることでパウダーでの浮力を確保しつつ、ウエスト幅を通常より広めに取ることで踏み込みの安定感を両立
  • Bambooyah コア:バンブー・アスペン・桐を組み合わせた軽量コアで、強度対重量比を重視
  • Carbon Infused 5500 Sintered Race Base:高速域でのグライドとワックス保持性を狙った上位グレードのベース
  • セットバック 0.75インチ:控えめなセットバック量で、パウダー浮力とグルーマーでの取り回しのバランスを取る設計

the good ride のレビュー(2023/24 モデル、151cm・5日間のテスト、良好なグルーマー〜1フィート程度のパウダーで検証)は、パウダー適性を 4.5/5、荒れた不整地を 2/5、カービングを 3.5/5 と評価。「穏やかなスピードでのカービングに向くが、高速でトルクをかけたターンを求める板ではない」とコメントし、軽量ライダー向けの「ウルトラライト/ポッピーな感触」を、より高価格帯の Gentemstick と比較しつつ評価しています。Snowboarding Profiles は「メロウフリーライド」カテゴリーで 30 機種中 22位(84.3/100点)とし、「パウダー愛好家のクイーバー追加向き」と位置づけています。

サイズ展開

151cm/156cm の2サイズ展開。K2 の Volume Shift 系設計の傾向に沿って、通常の愛用サイズより数センチ短めを選ぶ運用がメーカー側から案内されています(同社の関連モデルの表記では 4〜10cm 短めが目安)。

Yo Amagai とニセコという土地

Yo Amagai は K2 のグローバルチームライダーとしてニセコを拠点に活動し、長年にわたり同ブランドの日本市場向け開発に関わってきた人物です。K2 はこのモデルの開発意図を「debatably the Holy Grail of terrain and snowfall(地形と降雪量における、議論の余地のない聖地)」であるニセコで通用する道具を作ることと説明しており、地元ライダーの知見をプロダクトへ落とし込む姿勢がモデル名にそのまま表れています。

参考文献

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