コロンビア カウカ

先住民・アフロ系農家が守る南西コロンビアの原産地呼称コーヒー

34市町村・約9.3万戸の小農家が9.45万haで栽培するコロンビア第4位の産地。カスティージョ・カトゥーラが火山土壌で育ち、2011年に原産地呼称を取得した高い酸とキャラメルの甘さを両立するウォッシュド


産地情報

産地コロンビア南西部 カウカ県(ポパヤン高原、インサ、カヒビオ、パエス、トトロ周辺)
品種カスティージョ・カトゥーラ・コロンビア・ティピカ・ボルボン・タビ
標高1,700〜2,100m(一部農園は1,900m超)
味わいキャラメルの甘い香り・高い酸・花のノート・バランスの取れたクリーンなカップ

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:カスティージョ(Castillo)

コロンビア国立コーヒー研究所セニカフェ(Cenicafé)が在来のコロンビア種を基に開発した改良品種で、さび病(roya)耐性と安定収量からカウカでも主力品種として広く普及している。伝統品種のカトゥーラ・ティピカ・ボルボン・タビも並行して栽培され、特に先住民・アフロ系コミュニティが多いインサ地区や小規模農家では複数品種を混植する農園が一般的。品種構成の多様さがカウカのロットごとの個性の幅を生んでいる

  • さび病耐性の高いカスティージョが主力品種として普及
  • カトゥーラ・ティピカ・ボルボン・タビが伝統品種として残る
  • 先住民・アフロ系農家が小規模区画で複数品種を混植
  • 2011年に原産地呼称(Denominación de Origen)を取得

コロンビア カウカとは

カウカ県はコロンビア南西部、ポパヤン(Popayán)を県都とし、ウイラ・トリマ・ナリーニョ・プトゥマヨ・バジェ・デル・カウカと接する山岳地帯に位置する。34市町村に約9.3万戸の生産者家族が暮らし、9.45万ヘクタールでアラビカ種を栽培する、コロンビア国内で全国生産量の約10.5%を占める第4位の産地である(Federación Nacional de Cafeteros/FNC)。生産者数では全国最多クラスを誇り、先住民・アフロ系コミュニティを含む多様な小規模農家が急峻な山地に点在する区画でコーヒーを育てている。

2011年に原産地呼称を取得

カウカのコーヒーは2011年8月10日、コロンビア国内の他県に先駆けて「原産地呼称(Denominación de Origen)」の認定を受けた。認定基準では、強くキャラメル化した香り、高い酸、ミディアムボディ、バランスの取れた印象、クリーンで柔らかいカップに花や甘さのノートを伴うことが特徴として定義されている。この認定は、火山灰由来の肥沃な土壌と赤道に近い安定した日照がもたらす品質の一貫性を裏付けるものとなった。

ポパヤン高原とインサ地区

県内最大の生産サブリージョンであるポパヤン高原には11市町村・約4.3万戸の農家が集まり、約4.45万ヘクタールを平均標高1,700m前後で栽培する。火山灰由来の土壌のもと、日なた栽培と一部シェード栽培が混在し、高い栽培技術と生産性で知られる。一方、トリマ・ウイラと県境を接し「マシソ・コロンビアーノ(コロンビア山塊)」と呼ばれる水源地帯に位置するインサ地区は、カヒビオ・パエス・トトロと共にFNCの第4管区を構成し、標高が高く輸送インフラが限られることから、農家自身が収穫からパルピング・発酵・乾燥までを担う小規模生産が中心となっている。

小規模生産者組織による品質管理

輸送や設備の制約が大きいカウカでは、生産者協同組合が集荷・精製・品質管理・輸出を担う体制が発達している。南カウカの生産者組合**コスルカ(COSURCA)**は1993年設立、1,423戸の農家を11のコミュニティグループに束ね、共同のドライミルとカッピングラボを通じて品質を均一化する仕組みを構築してきた。フェアトレード認証のもとで収入の多角化や教育支援にも取り組んでいる。


代表的な生産者・農園

代表的な農園

  • コスルカ(南カウカ生産者協同組合)COSURCA (Cooperativa del Sur del Cauca)
    📍 コロンビア・カウカ県南部⛰️ 1,700〜2,000m

    1993年設立、1,423戸の小農家を11のコミュニティグループとして組織する協同組合。共同のドライミルとカッピングラボを通じて集荷から品質管理・輸出までを一貫して担う。フェアトレード認証のもと収入多角化や教育支援プロジェクトも展開

  • カウカ農民連盟Federación Campesina del Cauca
    📍 コロンビア・カウカ県一帯⛰️ 1,700〜2,100m

    6つの小規模生産者組織を束ねる連合組織で、複数のマイクロロットを産出。発酵条件を細かく制御した差別化ロット(チェリー発酵48時間+ミューシレージ発酵16時間、ライズドベッド乾燥)などの試みも報告されている

  • フィンカ・エル・アルト(フランシスコ・ハビエル・タラガ氏農園)Finca El Alto
    📍 コロンビア・カウカ県 サン・ルイス地区⛰️ 1,900m

    標高1,900mの高地に位置する家族経営農園。収穫後即日パルピングし24時間ドライ発酵させてから水洗い、パラボリック型ソーラードライヤーで乾燥する丁寧な精製プロセスで知られる


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫
2
果肉除去
3
水洗い・発酵
4
乾燥
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴

カウカでは県内共通の伝統的なウォッシュド(水洗式)が主流で、原産地呼称の認定基準でも「クリーンで柔らかいカップ」の根拠となっている。収穫したチェリーはその日のうちにパルピング(果肉除去)され、ミューシレージ(粘液質)をタンク内で発酵させたのち水洗いする。標高の高い区画では低温により発酵がゆっくり進み、乾燥もアフリカンベッドやパラボリック型ソーラードライヤーで時間をかけて行われる。カウカ農民連盟のように、チェリー発酵とミューシレージ発酵を段階的に分けるなど発酵条件を細かく制御した差別化ロットの試みも一部の生産者組織で進んでいる。


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

シナモン ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いコロンビア カウカコロンビア ナリーニョコロンビア ウイラエチオピア イルガチェフェケニア AAブラジル セラード

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:87〜90℃(浅煎り〜中煎りの酸と花香を活かす温度帯)
  • 挽き目:中細挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ/エアロプレス(キャラメルの甘さを強調したい場合はやや高めの湯温・長め抽出)
  • 豆の量:13〜15g / 200ml(13g → 花とキャラメルの香りが主体、15g → ボディと甘さが際立つ)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準 1:18(200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

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