Burton Flight Attendant

2014/15シーズンデビュー、Nicolas Müller監修のテーパードディレクショナル

BurtonビッグマウンテンテーパードディレクショナルNicolas Müller

2014/15シーズンにBurton Family Treeラインから登場したFlight Attendant。バックカントリーフリースタイルのパイオニアであるNicolas Müllerの監修のもと、一般的なツインチップの対極として開発されたテーパードディレクショナル形状です。パウダーでの浮力とハードパックでの深いカービングを両立し、ビッグマウンテンからサイドヒットまで幅広いフリーライドシーンで使われています


「Flight Attendant」は Burton Snowboards のフリーライド向けテーパードディレクショナルボード。2014/15シーズンに Burton Family Tree ラインから登場し、以後も現行モデルとしてカタログに残り続けています。バックカントリーフリースタイルのパイオニアである Nicolas Müller の監修のもとに開発され、一般的なツインチップ形状に対する「地形を切り裂くオルタナティブ」というコンセプトを掲げてデビューしました。

初登場:2014/15シーズン「Family Tree」ライン

項目 内容
初登場シーズン 2014/15(evo・Blister のレビュー履歴で確認できる最古の年式)
展開ライン Burton Family Tree(当時の上位開発ライン)
開発関与 チームライダー Nicolas Müller の監修
コンセプト 「一般的なツインチップに対する、地形を切り裂くオルタナティブ」(evo 製品説明)
デビュー時の評価軸 バックカントリーでのフリースタイル表現+パウダーでの扱いやすさ

Whitelines のレビューは Müller を「バックカントリーフリースタイルのウィザード(backcountry freestyle wizard)」と紹介し、Flight Attendant を「フリーライドの機動力とフリースタイルの遊び心を組み合わせた一枚」と評しています。初登場年について、公式アーカイブページを直接参照できるソースは見当たらず、本記事では複数の販売店・レビューサイトの年式表記(evoの「Burton Family Tree Flight Attendant Snowboard 2015」出品、Blister の「2014-2015 Burton Flight Attendant」レビュー)が一致する2014/15シーズンを初登場年として記載しています。

シェイプ(シルエット)

Burton Flight Attendant スノーボード(2024年モデル):左がトップシート(白地に木目とグラフィック)、右がベース(黒地に月のグラフィック)

画像:Burton Flight Attendant(2024シーズンモデル)
出典:Civil Snowboard Shop 製品画像(wearecivil.com 経由)

Flight Attendant の形状は テーパードディレクショナル。ノーズをテールよりわずかに長く・幅広く取り、パワーをテール側に集中させながら浮力・流れ・コントロール性を確保する古典的なフリーライドシェイプです。Burton は独自に 「Balanced Freeride Geometry」 と呼ぶサイドカット設計を採用しており、サイドカット自体はスタンスを中心に配置してフラットベース時にツインフリースタイルに近い感覚を残しつつ、エッジに乗せるとディレクショナル本来のソフトスノーでの浮力とタイトな旋回性を発揮する構造になっています(出典:Burton 公式製品ページ)。

プロファイルは ディレクショナルキャンバー(セットバックキャンバー+ノーズのアーリーライズロッカー)。両足下はキャンバーで反発とエッジホールドを確保し、ノーズだけを持ち上げることでパウダーでの引っかかりを抑える組み合わせです。

スペック(2024シーズン・156cm基準)

項目 内容
ランニングレングス 1120mm
有効エッジ 1180mm
サイドカット半径 7.4m
サイドカット深さ 21.1mm
ノーズ幅 301.2mm
ウエスト幅 254mm
テール幅 291.2mm
テーパー量 10mm(ノーズ − テール、全サイズ共通)
セットバック 35mm
ベント ディレクショナルキャンバー(セットバックキャンバー+ノーズロッカー)
フレックス 7/10(10段階中、スティッフ寄り)
コア Super Fly II™ 700G Core
構造 Triaxグラスファイバー+Carbon I-Beam
ベース Sintered WFO Base

データソースは Trojan Wake Ski Snow のサイズチャート(Burton 公式卸データ準拠)と Burton 公式製品ページのスペック記述に基づきます。

サイズチャート(2024シーズン)

サイズ 実効エッジ ノーズ幅 テール幅 ウエスト幅 サイドカット半径 推奨体重
152 1140mm 295.7mm 285.7mm 250mm 7.2m 54–82kg
156 1180mm 301.2mm 291.2mm 254mm 7.4m 68–91kg
159 1210mm 304.3mm 294.3mm 256mm 7.6m 68–91kg
162 1240mm 307.4mm 297.4mm 258mm 7.8m 82–118kg以上
168 1295mm 316.5mm 306.5mm 265mm 8.2m 82–118kg以上
156W 1180mm 309.2mm 299.2mm 262mm 7.4m 68–91kg
159W 1210mm 312.3mm 302.3mm 264mm 7.6m 68–91kg
162W 1240mm 315.4mm 305.4mm 266mm 7.8m 82–118kg以上

いずれのサイズも テーパー量10mm・セットバック35mm で統一されており、サイズが上がるほど実効エッジ・サイドカット半径ともに拡大していく設計です。ワイドモデルはウエスト幅のみを拡張し、他の寸法比は共通です。

30年の系譜との関係

Burton は Fish(パウダー特化)・Supermodel(1996〜2010年代前半のフリーライド基準機)と、テーパード形状のフリーライド系ラインを長年展開してきました。Supermodel がカタログを離れた2012/13シーズンの数年後にあたる2014/15シーズンに、テーパードディレクショナルの後継的な立ち位置で登場したのが Flight Attendant です。両者にブランド公式の直接的な「後継」表記は確認できませんでしたが、フリーライド向けテーパードディレクショナルという設計思想と ビッグマウンテンでの評価という点で系譜が重なっています。

評価

  • the good ride のレビュー:2015〜2024年式を継続レビューし、上級〜エキスパートライダー向けと位置付け。パウダーでは方向性を活かした浮力を発揮し、ミディアム〜スティープなビッグマウンテンコンディションで本領を発揮すると評価
  • カービング性能:グルーマーでもバランスの取れた旋回半径を発揮し、スピードレンジと反発(ポップ)の両立を高く評価。一方で価格帯の割にベースの滑走性・エッジホールドが競合より一段劣ると指摘
  • Snowboarding Profiles の総合評価:2024年モデルはフリーライド系27機種中5位(86.4/100点)にランクイン。「感触・過去の経験・スペックから見てパウダーでも良いボードになるはず」とし、テーパード形状・ノーズロッカー・セットバックの組み合わせがフロートに寄与すると分析
  • The Inertia のレビュー(Family Tree Flight Attendant X スプリットボード):クラッド(荒れた雪面)も問題なく処理し、「深くアグレッシブなカービング」ができる一枚と紹介

使用ライダー

  • Nicolas Müller — スイス出身、バックカントリーフリースタイルのパイオニア。Flight Attendant はMüllerの監修のもとで開発され、デビュー当初から現在までコンセプトの中核であり続けています。Whitelines は同氏を「backcountry freestyle wizard(バックカントリーフリースタイルの魔術師)」と評しています

ビッグマウンテンシーンでの存在感

  • 大手メーカー Burton のフリーライドラインの中で、テーパードディレクショナル+ディレクショナルキャンバーという組み合わせを長年維持し続けている数少ない現行モデル
  • Family Tree(上位開発ライン)出自のモデルとして、通常ラインへ昇格後も10年以上にわたりカタログに残り続けている
  • 同じテーパードディレクショナル・フリーライド系の選択肢としては、Burton Supermodel(かつてのフリーライド基準機、2012/13終売)、Jones FlagshipRossignol XV 等が挙げられ、ビッグマウンテンから深雪バックカントリーまでを一枚でこなす方向性で市場を分け合っています
  • スプリットボード版「Family Tree Flight Attendant X」も展開されており、バックカントリーへのアクセスを前提としたシーンでの支持基盤があります

参考文献

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