Burton Sensei
2020/21シーズン限定、竹内正典監修のロングノーズ・フルキャンバー機
Burton Family Treeラインから2020/21シーズンのみ展開されたSensei。日本のパウダーライディングを牽引してきた竹内正典(Masa Takeuchi)が監修した、テーパーゼロの細長いディレクショナルシェイプにフルキャンバーを組み合わせた一枚です。深雪の浮力よりもエッジホールドとカービング性能を優先した、Family Treeの中でも異色のニッチ機として位置づけられています
「Sensei」は Burton の実験的フリーライドライン Family Tree から 2020/21シーズンのみ展開された1枚。日本のパウダーシーンを長年牽引してきた 竹内正典(Masanori “Masa” Takeuchi) が監修し、テーパーゼロの細長いシルエットにトラディショナルキャンバーを全長にわたって配置するという、当時のパウダーボードの主流(幅広・大テーパー・ロッカー)とは真逆のアプローチを取った1枚です。

画像:Burton Family Tree Sensei(2020/21シーズンモデル)
出典:Backwoods(Burton公式取扱店)プロダクト画像
ブランドの成り立ち:Family Treeと竹内正典
Family Tree は Burton が Craig Kelly の遺志を継ぐ形で運営する実験的フリーライドラインで、Craig’s Prototype Facility(バーモント州の試作施設)発の新形状を毎シーズン数枚だけ市販化する仕組みです。ラインナップは基本的に1シーズン限りの入れ替え制で、Sensei も 2020/21 シーズンのみのリリースでした。
竹内正典は Burton Japan チームの中心人物で、選手としてのキャリアを経て現在は [ak] Guide と Family Tree の両ラインでプロダクトデザインに携わっています。過去には Craig Kelly と共同で Burton Cascade を手がけた実績があり、Sensei は竹内が日本の深く冷たいパウダーで培った「板を長くして細くする」という発想を Family Tree に持ち込んだモデルです。グラフィックは Burton 本社に招かれたアーティスト Ty Williams がバーモントの Craig’s プロトタイプ施設に壁画を描き下ろし、そこから起こされたデザインが採用されています。
シェイプ:テーパーゼロのロングノーズ・ディレクショナル
Sensei のシルエットは ディレクショナル形状・テーパーなし(ノーズ幅=テール幅相当)・セットバック -20mm。細く長い“オールドスクール”なプロポーションに、Directional Flex(テール側に強いポップ、ノーズ側はよりしなやか)を組み合わせています。プロファイルはフルレングスのトラディショナルキャンバーで、ノーズからテールまで途切れることなく雪面に荷重が乗る設計です。当時の Family Tree で主流だった「幅広ノーズ+大テーパー+アーリーライズ」のパウダー機とは対照的な、カービングとエッジホールドを軸にした深雪ボードという立ち位置です。
スペック(156cm 基準)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サイズ展開 | 151 / 156 / 161 / 170cm |
| ウエスト幅 | 243mm(151)/245mm(156)/247mm(161)/256mm(170) |
| セットバック | -20mm(156cm) |
| 推奨体重(156cm) | 68〜91kg |
| シェイプ | ディレクショナル・テーパーなし |
| プロファイル | フルレングス・トラディショナルキャンバー |
| フレックス(10段階) | 7〜8(ミディアム〜スティッフ) |
| コア | Dragonfly 600G(Multizone EGD、耐衝撃部に木口木材を配置した軽量コア) |
| 構造 | 45°カーボンハイライト入りグラスファイバー |
| ベース | Recycled Sintered WFO(リサイクル焼結ベース) |
| バインディング接続 | Burton Channel システム |
| 価格(当時) | $649.95 |
※ 有効エッジ長・ノーズ幅・テール幅・サイドカット半径のセンチ単位の公開値は、Burton公式・主要小売店(evo/The House/Absolute-Snow/SnowLeader)いずれの現存ページにも数値の記載が見当たりませんでした。単年限定・生産終了モデルのため詳細スペックシートがアーカイブされていない可能性があり、本記事では確認できた数値のみを記載しています。
評価:the good ride「ニッチすぎておすすめしにくい」
スノーボード専門レビューサイト the good ride は Sensei を Freeride カテゴリーに分類し、5点満点のテレイン評価で カービング 4.5/速度 3.5/パウダー 3.5/エッジホールド 3/ジビング 0.5 を付けています。レビュー本文では「Family Tree の中でも最もニッチな1枚で、積極的には勧めない。オールドスクールなスタイルを好む一部のライダーだけが『これが欲しい』と分かるボード」と評されています。デモ試乗はコンディションの悪い硬い雪面での156cmサイズで行われ、その中でも「たまに雪質の良いパッチに入るとカービングが気持ちいいのが分かった」とコメントされました。Burton 自身は Sensei を「パウダー/フリーライドボード」とマーケティングしていますが、the good ride は「万人向けではない」と釘を刺しています。
使用ライダー
- 竹内正典(Masa Takeuchi) — Sensei の監修者。Burton Japan チームの中心人物として長年活動し、Craig Kelly との共作 Burton Cascade をはじめ [ak] Guide・Family Tree 両ラインのプロダクトデザインに携わる。日本のディープパウダーでの経験がSenseiの細長・フルキャンバー設計に直結している
Family Treeラインでの存在感
- Family Tree は毎シーズン入れ替わる実験ラインであり、Sensei はその中でも「主流のパウダー形状(幅広・大テーパー・ロッカー)へのアンチテーゼ」という明確な立ち位置を持つ1枚でした
- 2020/21シーズン限りで終売となり、2022年以降の Burton ラインナップには登場していません。Burton Fish が「休止→Mystery Fish→Fish 3D」と世代を継いだのに対し、Sensei は後継を持たない単年完結のモデルです
- 同じ Family Tree 出身で竹内が関わった Forager(スワローテールの速攻系ディレクショナル)とあわせて、竹内が Burton の日本市場向け深雪ボード開発に継続的に関与してきたことを示す1枚として位置づけられます
参考文献
- Burton Family Tree Sensei Camber Snowboard (Burton公式)
- Burton Family Tree Collection (Burton公式)
- Burton Sensei Snowboard Review (the good ride)
- Burton Sensei Family Tree Snowboard 2021 (Backwoods)
- Burton Family Tree Sensei Snowboard (The House)
- Burton Family Tree Sensei 2021 Snowboard Review (snowboard-review.com)
- Burton Family Tree Sensei Snowboard 2021 (evo)
- Snowboard Life Top 25: Burton Cascade(竹内正典の経歴、Snowboarder Magazine archive)
- Burton Japan Team: Masanori Takeuchi (Burton公式)
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