カペン・バラコ(Kapeng Barako)
カペン・バラコ
カペン・バラコ(Kapeng Barako)は、フィリピンのバタンガス州・カビテ州を中心に栽培されてきたリベリカ種のコーヒーの呼び名です。フィリピン・コーヒー委員会によると、リベリカは1876年にカビテ州アマデオで植えられ、19世紀末のさび病の流行でアラビカが大きな打撃を受けたあとも栽培が続きました。同委員会の資料は、1889年に害虫や病害が広がり、1891年にさび病が襲ったとしていますが、さび病の正確な発生年は同時代の一次記録では確認できていません。
バラコは、食文化の多様性を守るスローフードの「味の箱舟」に掲載されています(法律による品種登録や地理的表示ではありません)。フィリピン・コーヒー委員会の資料では、国内のコーヒーの収穫期は10月から翌年3月です。バラコに限った収穫期は確認できていません。フィリピン科学技術省の研究機関(DOST-PCAARRD)は国内のコーヒーとしてアラビカ・ロブスタ・リベリカ・エクセルサの4種類を挙げ、生産の約70%をロブスタが占めるとしています。豆を選ぶときは、産地(州)とリベリカであることが書かれたロットを選ぶと、バラコの特徴をたどりやすくなります。
訂正(2026-10-13): 「1740年にスペイン人修道士がフィリピン・バタンガス州リパへ持ち込んだのが始まり」「1880年代の世界的なさび病流行でアラビカが壊滅した際、耐病性の高いリベリカ種への転換を機に定着し、一時は世界有数の輸出国になった」と記載していましたが、1740年の導入と輸出国としての順位は一次資料で確認できず(バタンガスの記事の訂正で削除済み)、フィリピン・コーヒー委員会によるとリベリカはさび病の流行より前の1876年に植えられていたため、確認できる範囲に改めました。あわせて、資料によって説明が異なる「バラコ」の語源と、一次資料で確認できない「ジャックフルーツを思わせる独特の香りと強いボディ」の記述を外しました。
訂正(2026-10-14): Codex による一次資料との照合(Issue #386)にもとづき、次の点を改めました。「さび病の年は、資料によって1889年・1891年・1894年と異なる」と記載していましたが、フィリピン・コーヒー委員会の資料は1889年を害虫・病害の広がり、1891年をさび病の年として書き分けており、1894年を含む資料は同時代の記録ではないため、同委員会の記述どおりに改め、正確な発生年は未確認としました。「収穫期は10月から翌年1月で、11〜12月が最盛期」と記載していましたが、同委員会の資料で確認できるのはフィリピン全体の収穫期(10月から翌年3月)で、バラコに限った収穫期は確認できなかったため改めました。あわせて、「味の箱舟」に「登録されている」としていたのを「掲載されている」に改め、DOST-PCAARRD が「4つに分けている」を「4種類を挙げ」に改めました。
フィリピン バタンガス
野生の力を宿す、バラコと呼ばれるリベリカ種
フィリピン・バタンガス州、Coffea liberica種のカペン・バラコの産地です。19世紀末のさび病でアラビカが打撃を受けた後も栽培が続いたとされ、Slow Foodの「味の箱舟(Ark of Taste)」に掲載されています。ジャックフルーツとアニスの香り、フルボディが際立ちます
フィリピン コルディリエラ山岳地帯
ベンゲット・アラビカが育つ、北ルソンの山岳産地
アラビカ・ロブスタ・リベリカ・エクセルサの4つのコーヒー区分が栽培されるフィリピン。北ルソン島コルディリエラ山脈のイゴロット族が受け継ぐベンゲット・アラビカ(Slow Food「味の箱舟」掲載)が核心産地
参考文献・情報ソース