フィリピン バタンガス

野生の力を宿す、絶滅危惧のリベリカ種

フィリピン・バタンガス州、Coffea liberica種の希少品種カペン・バラコの産地です。1889年のサビ病でアラビカが壊滅した後に生き残った耐病性品種で、現在は国内生産の1%未満に減少しSlow Food Ark of Tasteに登録。ジャックフルーツとアニスの香り、フルボディが際立ちます


産地情報

産地フィリピン・ルソン島バタンガス州(中心はリパ市)、隣接するカビテ州
品種リベリカ(カペン・バラコ)
標高約300〜1,100m(リパ市周辺のマレプニョ山系斜面は900〜1,100m)
味わいジャックフルーツ・ピーナッツ・チョコレート・アニスを思わせる強い香り、力強いフルボディ

品種情報

リベリカ種Coffea liberica希少種

品種:カペン・バラコ(Kapeng Barako)

1740年代にスペイン人宣教師がリパの低地に持ち込んだCoffea liberica系統。「バラコ」はスペイン語で「猪(verraco)」を意味し、力強さの象徴とされる。19世紀末のサビ病(コーヒーさび病)でアラビカが壊滅した後、耐病性の高さから生き残り、バタンガス州・カビテ州の名産として定着した希少原種

  • 1740年代にスペイン人がリパへ導入
  • 1889年のサビ病後もアラビカに代わり生存
  • Slow Food Ark of Taste登録(絶滅危惧の遺産食材)
  • 国内生産の1%前後まで減少した希少種

フィリピン・バタンガスとは

フィリピンは世界で唯一、アラビカ・ロブスタ・リベリカ・エクセルサの4原種すべてを商業生産する国です(北ルソンのコルディリエラ産地はこちらで紹介)。その中でもバタンガス州、特にリパ市周辺は**カペン・バラコ(Kapeng Barako)**と呼ばれるリベリカ種の本場として知られます。

リパは19世紀、スペイン植民地下でアラビカ輸出により「コーヒーの都」と呼ばれるほど栄え、1880年代にはフィリピンが世界第4位の輸出国になったとされます。しかし1889年前後にコーヒーさび病(Hemileia vastatrix)が上陸してアラビカ農園が壊滅。多くの農家がサトウキビ栽培へ転換する中、耐病性の高いリベリカが生き残り、地域の特産として受け継がれてきました。


代表的な産地・生産者

代表的な農園

  • リパ・コーヒー農家協会Lipa Coffee Farmers Association
    📍 フィリピン バタンガス州リパ市⛰️ 約900〜1,100m(マレプニョ山系斜面)

    300戸以上の小規模農家が加盟する協同組合。リベリカ(バラコ)をナチュラル精製で仕上げ、ジャックフルーツ・ピーナッツ・チョコレートのフレーバーノートで知られる。米国など海外のスペシャルティ市場にも輸出実績がある

  • カビテ州アマデオAmadeo, Cavite
    📍 フィリピン カビテ州アマデオ⛰️ 約300〜500m

    1876年、リパからリベリカ栽培が広がった最初期の地域の一つ。標高は低いが伝統的なカペン・バラコの産地として今も知られ、地元の焙煎・喫茶文化が根付く

  • 「Save the Barako」復興運動の生産者たちSave the Barako Movement
    📍 フィリピン バタンガス州・カビテ州一帯⛰️ 低地〜900m超(農家により異なる)

    2000年代半ば、地元の起業家パシタ・フアン氏らが主導した復興運動をきっかけに、絶滅危惧種だったリベリカの栽培が見直された。国全体の生産比率は今も1%前後にとどまるが、スペシャルティ向けの小規模生産者は増えつつある


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫
2
果肉除去
3
水洗い・発酵
4
乾燥
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバー

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

低い酸味と厚みのあるボディが特徴で、アニスに似た独特の強い香りから「バラコ(猪)」の名がついたとされます。カップにはジャックフルーツやピーナッツ、ダークチョコレートのニュアンスが重なり、ロブスタとは異なる甘みのある力強さを感じさせます。


焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ハイ ロースト

中深煎りにすることで、リベリカ特有の強い香りと苦みのバランスが取りやすくなります。浅煎りでは青みが残りやすいため、チョコレートやナッツの甘みを引き出す中深煎り〜深煎りが好まれます。


ポジショニング

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いフィリピン バタンガスフィリピン コルディリエラ山岳地帯ベトナム ロブスタインドネシア マンデリンG1エチオピア イルガチェフェブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:85〜90℃(中深煎り)
  • 挽き目:中挽き
  • 抽出方法:フレンチプレスやモカポットなど、コクをしっかり抽出できる方式が相性が良い。ペーパードリップの場合はやや濃いめの配合で
  • 豆の量:14〜16g / 200ml(香りが強いため濃いめに設計し、湯量で好みに調整するとバランスが取りやすい)

コメント

コメントを書く

👁