マンデリン系(Sumatra Mandheling type)
マンデリン系
マンデリンは品種名ではなく、インドネシア・スマトラ島のアラビカ種に使われる取引上の呼び名です。インドネシア外務省の刊行物によると、名前は北スマトラのマンダイリンの人々に由来します。地理的表示「Kopi Arabika Sumatera Mandailing」の申請は、北スマトラ州マンダイリン・ナタール県内の6つの郡を範囲としていますが、北スマトラのリントンやアチェ州のガヨの豆がこの名で取引される例もあり、呼び名の範囲は業界で一つに定まっていません。
スマトラでは、乾ききる前のパーチメントを脱穀する「ウェットハル(ギリン・バサ)」が使われています。国連食糧農業機関(FAO)などがまとめた北スマトラのコーヒーの報告は、水分35〜45%のパーチメントを脱穀できるよう改造した機械を記しています(この報告での条件で、マンデリン全体の規格ではありません)。オーストラリア国際農業研究センター(ACIAR)の調査報告は、スラウェシ島でも複数の事業者が半乾きのパーチメントを脱穀していると記しており、スマトラだけの方法ではありません。栽培されている品種は、インドネシア農業省が「Gayo 1」として記録するアチェのティム・ティムなど複数あり、品種ごとの栽培面積の割合は確認できていません。豆を選ぶときは、産地(県や地域)と精製方法が書かれたロットを選ぶと、呼び名だけではわからない違いをたどりやすくなります。
訂正(2026-10-13): 「18世紀にオランダ東インド会社が持ち込んだティピカ系統が起源で、1880年代のさび病大流行で大半が失われた」「標高の高い地域には今もベルガンダル等ティピカ系統が残る」「現在流通するマンデリンの多くは、ハイブリッド・ティモール由来のカティモールやアテンなど耐病性品種」「湿式脱殻特有の粘りある質感」と記載していましたが、いずれも一次資料で確認できないか、マンデリン・スマトラの記事の訂正(2026-09-29、2026-10-05、2026-10-11)で外した内容だったため削除しました。あわせて「スマトラ島北部で栽培されるアラビカ種に対する商業呼称」を、名前の由来と地理的表示の範囲が確認できる書き方に改めました。
訂正(2026-10-14): Codex による一次資料との照合(Issue #386)にもとづき、次の点を改めました。ウェットハルについて「水分35〜45%の段階で脱穀する」と方法の定義のように記載していましたが、この数値はFAOなどがまとめた北スマトラの報告で改造した機械の脱穀条件として記されたものだったため、その報告の条件として書き分けました。また「スラウェシ島(トラジャ)でも広く使われており」と記載していましたが、ACIARの報告で確認できるのはスラウェシ島の複数の事業者の例で、普及の程度は確認できないため「広く」を外しました。
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参考文献・情報ソース