
ブラジル アルタ・モジアナ
鉄道が拓いた老舗産地、パルプドナチュラル製法の主要産地
サンパウロ・ミナス両州境に広がるブラジル屈指の銘醸地アルタ・モジアナ。標高800〜1,270mの高地でイエロー・ブルボンやアカイアを育て、パルプドナチュラル製法でダークチョコレートとナッツ、ストーンフルーツが重なる上品な甘みを引き出す
産地情報
| 産地 | ブラジル・アルタ・モジアナ(サンパウロ州北東部〜ミナスジェライス州南西部) |
|---|---|
| 品種 | イエロー・ブルボン(Yellow Bourbon)、アカイア(Acaiá)、ムンド・ノーヴォ(Mundo Novo) |
| 標高 | 800〜1,270m |
| 味わい | ダークチョコレート・ローストウォールナッツ・ストーンフルーツ・ブラウンシュガー・まろやかなボディ |
品種情報
品種:アカイア(Acaiá)
1977年、カンピーナス農業研究所(IAC)がムンド・ノーヴォの選抜系統から育成した品種。トゥピ・グアラニー語で「大きな種を持つ果実」を意味する名の通り、大粒の豆が特徴。標高800〜1,200mの高地で栽培され、さび病への中程度の耐性と機械収穫への適性を両立し、アルタ・モジアナやセラードの大規模農園で広く採用されている
- 大粒でムンド・ノーヴォより粒揃いが良い豆——選別効率と見栄えの両方に貢献
- チョコレート・キャラメル・ナッツの甘みが軸、冷めるとシトラスや花のニュアンスも
- 高地適性と機械収穫への対応力を兼ね備え、家族経営から大規模農園まで幅広く栽培
アルタ・モジアナとは
アルタ・モジアナは、ブラジル南東部・サンパウロ州北東部からミナスジェライス州南西部にまたがるコーヒー産地です。サンパウロ側はフランカ(Franca)、クリスタイス・パウリスタ(Cristais Paulistas)、パトロシニオ・パウリスタ(Patrocínio Paulista)など、ミナス側はサン・セバスチアン・ド・パライーゾ(São Sebastião do Paraíso)、イビラシ(Ibiraci)、サクラメント(Sacramento)などの市を含み、合わせて約5,000軒の農家が約12万ヘクタールでコーヒーを栽培し、年間約450万袋(60kg換算)を生産します。
産地の歴史は1880年代に遡ります。サンパウロ州カンピーナスを起点に敷設された鉄道網(モジアナ鉄道)の延伸に伴ってコーヒー栽培がこの高地へ広がったことが「モジアナ」という産地名の由来です。標高800〜1,200m、平均標高847mという高地の立地に加え、年間を通じて明確な雨季・乾季のリズムを持つ熱帯性気候が、糖度の高いチェリーを育みます。
パルプドナチュラル製法の主要産地
アルタ・モジアナは、ブラジルにおけるパルプドナチュラル(セミウォッシュド)製法が広く採用される産地のひとつです。果肉を機械で除去したうえでミューシレージ(粘液質)を残したまま乾燥させるこの製法は、ウォッシュドのクリーンさとナチュラルの甘みを両立させ、アルタ・モジアナのスペシャルティコーヒーを特徴づける精製方法として定着しています。
代表的な農園・協同組合
代表的な農園
- ファゼンダ・ボン・ジェズスFazenda Bom Jesus
ほぼ150年続く家族経営農園。2006年にアルタ・モジアナ地域で初めてUTZ認証を取得し、2008年からレインフォレスト・アライアンス認証も継続。アルタ・モジアナ・スペシャルティコーヒー協会(AMSC)の創設メンバーのひとつ
- COOXUPÉ サン・セバスチアン・ド・パライーゾ支所Cooxupé — São Sebastião do Paraíso Advanced Unit
世界最大級のコーヒー協同組合COOXUPÉが構える出張拠点のひとつ。アルタ・モジアナ ミナス側の組合員農家から集荷・精選・品質管理・輸出までを一貫してサポートし、地域全体のトレーサビリティ向上に寄与する
精製方法
精製方法
ハニー(イエロー)
Yellow Honey Process
バランスの良い甘みと酸味。蜂蜜やカラメルのニュアンス
パルプドナチュラルでは、収穫した完熟チェリーを機械(パルパー)で果肉除去したのち、粘液質(ミューシレージ)を一定量残したままパティオや乾燥棚に広げて天日乾燥させます。ウォッシュドのように水洗いで粘液質を完全に洗い流さないため、糖分が種子に浸透する時間を確保しつつ、ナチュラルほど長時間チェリーごと乾燥させないぶん発酵由来の雑味を抑えられます。乾燥期間は10〜15日程度とナチュラルより短く、仕上がりはクリーンさと甘み・ボディのバランスに優れたカップになります。
フレーバーチャート
フレーバーチャート
おすすめの焙煎度
おすすめの焙煎度
ミディアム ロースト
ポジショニングマップ
ポジショニングマップ
淹れ方のポイント
- お湯の温度:88〜92℃(パルプドナチュラルのクリーンな甘みを引き立てる中低温域)
- 挽き目:中挽き(ペーパードリップ標準)
- 抽出方法:ハリオV60・メリタなどのペーパードリップ推奨。ナッツやチョコレートのニュアンスが素直に立ち上がる
- 豆の量:12〜13g / 200ml(甘みとボディのバランスを重視した中間値)
📏 基準のエビデンス
- 豆の量:SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準 1:18(200mlで11g)をベースに、パルプドナチュラルの甘みとボディを活かすため1:15〜1:17(12〜13g)を推奨
- お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)のうち中低温側88〜92℃を採用し、過度な渋みを避けつつ甘みを引き出す
- 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association
ブラジルの他の銘柄については、ブラジル サントスNo.2(伝統的な等級区分による標準銘柄)やブラジル セラード・ミネイロ(ブラジル初のDO認証産地)、ブラジル シャパーダ・ジアマンチーナ(バイーア州初のDO認証産地)も合わせてご覧ください。
参考文献・情報ソース
- Atlantica Coffee — Alta Mogiana Coffee: A Time-Tested Brazilian Treasure
- Orange Brown Imports — The Alta Mogiana Coffee Region: History and Facts
- Cals Coffee — Bom Jesus Coffee Farm
- Canal Rural — Sete municípios de MG se unem à Alta Mogiana
- Sweet Maria's Coffee Library — Acaia
- USDA FAS — Coffee Annual: Brazil (2026)
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