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コロンビア アンティオキア

コロンビア第2の産地、新・コーヒー軸の一角

コロンビア・アンティオキア県の生産量はウイラに次ぐ全国2位で、2024年の栽培面積は11万4,312ha 2014年COEでは標高2,004mのウラオ産が91.31点で1位 2019年に介入を受けた協同組合クーペランの再建まで、一次資料と報道で整理


この記事の要点

  • アンティオキア県はFNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)の統計で2024年の栽培面積11万4,312ha、直近12か月(2024年11月報道時点)の生産量シェア14.89%でウイラ県に次ぐ全国2位
  • 2014年カップ・オブ・エクセレンス(ACE掲載の「Colombia South 2014」区分)の上位10ロットのうち3ロットがアンティオキア県産、ウラオ産のカトゥーラ(標高2,004m)が91.31点で1位
  • スロエステ(南西部)の協同組合クーペランは2019年の危機で当局が介入し、数年にわたる対応と2025年の債権者との合意を経て2026年に買い付けを再開
  • 伝統的なエヘ・カフェテロ(カルダス・リサラルダ・キンディオ)は生産者の約24%・生産の約30%、ウイラ・アンティオキア・トリマ・カウカの4県は生産者の51%を占める

産地情報

産地コロンビア・アンティオキア県(スロエステ地域のアンデス・コンコルディア、西部のウラオなど)
品種カトゥーラ種(2014年COE上位ロットの記載)
標高1,750〜2,004m(2014年COE上位3ロットの申告標高)
味わいタンジェリン・オレンジピール・ジャスミン(2014年COE 1位ロットのカッピングメモ)当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:カトゥーラ種(2014年COE アンティオキア県産3ロットの品種記載)

ACEのCOE 2014掲載では、アンティオキア県産の入賞3ロットはいずれも品種がカトゥーラと記載されている カトゥーラはブルボンの自然突然変異で、1915〜1918年にブラジル・ミナスジェライス州の農園で見つかった矮性の品種

  • World Coffee Researchの品種カタログでは、カトゥーラは単一遺伝子の変異による矮性で、密植(1haあたり5,000〜6,000本)に向くとされる
  • 赤道付近(北緯・南緯5度以内)での高標高の目安は1,600m超で、標高2,000m級の栽培地では品質のポテンシャルが「良」と評価されている
  • コーヒーさび病への感受性が高い品種であることも同カタログに明記されている

コロンビア アンティオキアとは

アンティオキア(Antioquia)はコロンビア北西部の県で、県都は第2の都市メデジンです。コーヒーの産地としては、FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)の2024年のデータで栽培面積11万4,312haと、ウイラ(14万5,759ha)に次ぐ全国2位に位置します。続くトリマが10万6,852ha、カウカが9万4,442haです(El Colombiano・Agronegocios報道のFNC統計)。

この記事の切り口は、味の紹介よりも「この県が、コロンビアの産地地図のどこにいるのか」を数字でたどることです。標高は標高と味の関係に沿って見ると、2014年の品評会で入賞したアンティオキア産ロットの申告標高は1,750〜2,004mで、赤道に近い高地らしい水準でした。


数字で見る位置づけ——「新しいエヘ・カフェテロ」の一角

コロンビアのコーヒーは長らく、カルダス・リサラルダ・キンディオからなるエヘ・カフェテロ(コーヒー生産の中心地)が代名詞でした。しかしEl Colombianoによると、ウイラ・アンティオキア・トリマ・カウカの4県の栽培面積は全国の54.8%、生産者の51%を占め、従来のエヘ・カフェテロ(生産者の約24%、生産の約30%)を上回っています。当時の財務相が、この4県を「新しいエヘ・カフェテロ」と呼んだと報じられています。

県 生産シェア(直近12か月) 概算の生産量
ウイラ 19.08% 約240万袋
アンティオキア 14.89% 約190万袋
トリマ 12.88% 記載なし
カウカ 10.86% 記載なし
カルダス 7.35% 記載なし

出典: El Colombiano(2024年11月24日、FNC算出の直近12か月・全国約1,290万袋)。60kg袋換算

その後、FNCのバウモン総支配人は2025年10月、2024年10月〜2025年9月の収穫年度の全国生産が1,480万袋(33年ぶりの高水準)に達したと発表し、アンティオキアは「200万袋超で全国2位を維持」と報じられました(ABC Economía, 2025年10月7日)。

他県との比較では、ウイラが面積・生産ともに首位で、アンティオキアは栽培面積でウイラより約2割少なく、生産シェア(14.89%対19.08%)でもほぼ同じ約2割の差があります。上位4県を詳しく知りたい場合はトリマ、カウカ、品評会の結果で並んだナリーニョの記事も参照してください。


2014年COE——ウラオが示した高地の上限

アンティオキアの品質面での存在感を示す一次資料が、Alliance for Coffee Excellence(ACE)に残る2014年のカップ・オブ・エクセレンスの結果です。ACEの「Colombia South 2014」区分の上位10ロットを県別に整理すると、次のようになります。

県 入賞ロット(順位) 件数
アンティオキア 1位・3位・5位 3
カウカ 4位・6位・7位・10位 4
ナリーニョ 2位・8位 2
キンディオ 9位 1

出典: ACE Colombia South 2014(上位10ロット)

内訳を見ると、1位はウラオ(Urrao)のカルメン・セシリア・モントーヤ・パティーニョ氏のロットで91.31点、標高2,004m、品種カトゥーラ、栽培面積2.5ha(農場面積3ha)でした。ACE掲載のカッピングメモには「ゲイシャ様」「タンジェリン」「オレンジピール」「ジャスミン」とあり、最高入札額は1ポンドあたり45.70ドル、落札総額は117,449ドルでした。3位もウラオのパブロ・エミリオ・モントーヤ・カロ氏のロット(90.59点、2,004m)、5位はコンコルディアのヘスス・マリア・マルティネス・ゴメス氏のロット(89.13点、1,750m)です。

同じ区分では2位がナリーニョ(91.09点、最高入札額22.20ドル)、3位のウラオが同じ22.20ドル、5位が12.50ドルでした。落札価格はロットごとに大きく異なり、同じウラオ産でも1位は45.70ドル、3位は22.20ドルでした(ACE掲載値)。

なおウラオ周辺は「チロソ(Chiroso)」と呼ばれる系統でも知られます。2024年の査読論文(Springer)は、ウラオの3品種「カトゥーラ・チロソ」「ブルボン・チロソ」「チロソ」の葉緑体ゲノムを報告しています。ロースター側にはエチオピア在来種に近いとする説明もありますが、起源は研究途上で、この記事のCOE入賞ロットは品種がカトゥーラと記載されている点にとどめます。


協同組合クーペランの停止と再建

アンティオキアの産地構造を語るうえで外せないのが、スロエステ(南西部)の協同組合クーペラン(Cooperan、アンデス市)です。1961年創設で、一時はラテンアメリカで4番目に大きなコーヒー関連組織と報じられました。2019年に深刻な財務・商業危機に陥り、Superintendencia de la Economía Solidaria(連帯経済監督庁)が介入しました。その後、数年にわたる対応が続きました。

2025年に債権者との合意が成立し、El Colombianoによると、2026年3月18日〜5月31日の買い付け実績は乾燥パーチメント155トン超(約31億3,000万コロンビアペソ)、買い付けを受けたのは約1,400人(64%が組合員)でした。アンデス・シウダード・ボリバル・ベタニア・イスパニアの4か所の買い付け拠点も再開しています。スロエステは全国生産の約10%を担い、再開の恩恵は約3,900のコーヒー農家世帯に及ぶとされています。生産量上位の産地であっても、買い付けの受け皿となる協同組合の健全性が農家の収入を左右するという事例です。


代表的な生産者・協同組合

代表的な農園

  • カルメン・セシリア・モントーヤ・パティーニョCarmen Cecilia Montoya Patiño
    🏆 COE Colombia South 2014 1位
    📍 アンティオキア県ウラオ⛰️ 2,004m

    2014年COE(Colombia South)1位、91.31点 栽培面積2.5haのカトゥーラで、最高入札額は1ポンドあたり45.70ドル

  • パブロ・エミリオ・モントーヤ・カロPablo Emilio Montoya Caro
    🏆 COE Colombia South 2014 3位
    📍 アンティオキア県ウラオ⛰️ 2,004m

    2014年COE(Colombia South)3位、90.59点 農場面積13haのうちコーヒー栽培面積は1.3haのカトゥーラ

  • クーペラン(アンデス地域コーヒー生産者協同組合)Cooperan (Cooperativa de Caficultores de Andes)
    📍 アンティオキア県アンデス(スロエステ)

    1961年創設 2019年の危機で当局が介入、数年の対応と2025年の債権者合意を経て2026年に買い付け拠点4か所で再開


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫→
2
果肉除去→
3
水洗い・発酵→
4
乾燥→
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴

ウォッシュド(水洗式)は、この記事の分類上の標準表記です。 COE 2014のアンティオキア入賞ロットは、ACEの掲載に精製方法の記載がありませんでした。個別ロットの精製方法は、購入時にロースターの表記で確認するのが確実です。


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ミディアム ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いコロンビア アンティオキアコロンビア ウイラコロンビア ナリーニョエチオピア イルガチェフェケニア AAブラジル セラード

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:88〜92℃
  • 挽き目:中挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ
  • 豆の量:13g / 200ml(中煎りで甘みと柑橘系の酸のバランスをとる標準量)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)。中煎りはやや低めの温度で甘みとボディを保つ
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

標高2,000m級のロットは、ゲイシャ種に例えられた2014年COE 1位のように花や柑橘の表情が出る場合があります。同じコロンビアでもキンディオやウイラと並べて飲むと、県ごとの違いが見えてきます。

訂正(2026-10-12): 公開時、風味の欄に2014年COE 1位ロットのカッピングメモとして「クリーミーなボディ」を挙げていましたが、ACE掲載のメモで確認できたのは「ゲイシャ様」「タンジェリン」「オレンジピール」「ジャスミン」だけだったため外しました。あわせて、FAQで「アンティオキアは200万袋超で2位とFNCが発表」としていた箇所を、FNCの発表は全国生産1,480万袋で、アンティオキアの「200万袋超・2位」はABC Economíaの報道と書き分けました。


よくある質問

アンティオキアのコーヒーは、コロンビアのなかでどの位置にありますか?
FNCの統計では、2024年の栽培面積はウイラ県(14万5,759ha)に次ぐ11万4,312haで全国2位です 2024年11月の報道時点の直近12か月の生産シェアはウイラ19.08%、アンティオキア14.89%、トリマ12.88%、カウカ10.86%、カルダス7.35%で、2024年10月〜2025年9月の収穫年度は全国生産1,480万袋とFNCが発表し、アンティオキアは200万袋超で2位と報じられています(ABC Economía、2025年10月)
2014年のカップ・オブ・エクセレンスでアンティオキアはどんな成績でしたか?
Alliance for Coffee Excellence(ACE)の掲載では、「Colombia South 2014」区分の上位10ロットのうち、1位(ウラオ、91.31点)・3位(ウラオ、90.59点)・5位(コンコルディア、89.13点)の3ロットがアンティオキア県産です 3ロットとも品種はカトゥーラと記載されています
エヘ・カフェテロとは何ですか?
コロンビア中西部のカルダス・リサラルダ・キンディオを中心とする伝統的なコーヒー産地を指します 近年はウイラ、アンティオキア、トリマ、カウカの4県が生産者の割合などで上回り、この4県を「新しいエヘ・カフェテロ」と呼ぶ報道があります

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