中国 雲南

茶の国が育てる新世代のスペシャルティ・アラビカ

中国コーヒー生産の99%超を占める雲南省。1892年にフランス人宣教師アルフレッド・リエタールが朱苦拉村に最初の樹を植え、現代では普洱・保山・徳宏・臨滄を中心に標高1,000〜2,000mでカティモールやゲイシャ・ティピカなどのアラビカが育てられます。茶の国に芽吹いた新興スペシャルティ産地の魅力を紹介します


産地情報

産地 中国・雲南省(普洱・保山・徳宏・臨滄・西双版納)
品種 カティモール(Catimor)主体/ティピカ/ブルボン/ゲイシャ/SL34(スペシャルティ)
標高 約1,000〜2,000m
味わい ナッツ・カカオ・黒糖・マイルドな酸味・クリーンで優しいボディ

品種情報

アラビカ種 Coffea arabica 最高品質

品種:カティモール(Catimor)

1959年にポルトガルでハイブリド・デ・ティモール(Hibrido de Timor、ティモール島で発見されたアラビカ×ロブスタの自然交配)とカトゥーラを交配して作られたアラビカ改良種。サビ病耐性と多収性を併せ持ち、雲南には1980年代後半にネスレが農家支援を通じて広く導入したことで主力品種化した。雲南で広く栽培される現代の主力で、近年はティピカ・ブルボン・ゲイシャといった高品質品種への置き換えも進む

  • ハイブリド・デ・ティモール × カトゥーラのF1由来
  • サビ病に強く多収
  • 1980年代以降ネスレが雲南に導入
  • 現在は雲南産アラビカの主力品種

中国・雲南コーヒーとは

中国は世界的には「茶の国」のイメージですが、近年は新興のコーヒー生産国としても注目されています。中国国内のコーヒー生産の99%超を占めるのが雲南省で、ベトナムやインドネシアと同じ熱帯〜亜熱帯のコーヒーベルトに位置し、北緯15〜25度・標高1,000〜2,000m前後の山岳地帯がアラビカの好適地となっています。

雲南コーヒーの起源は1892年。フランス人宣教師アルフレッド・リエタール(Alfred Liétard)が、雲南省北西部・大理ペー族自治州ビン川県の山あいの朱苦拉(Zhukula)村にアラビカの種子を持ち込んで植えたのが最初とされ、現在も樹齢100年を超えるアラビカ古木が現存します。商業栽培が本格化したのは20世紀後半で、特に1988年にネスレが雲南に進出し、農家への技術支援と買い取りを通じてカティモール主体の生産体制が広がりました。

スペシャルティ化の動きを大きく加速させたのは2012年にスターバックスが普洱に開設したアジア初のファーマーサポートセンターで、CAFE Practices基準に沿った品質改善が進み、2017年にはStarbucks Reserve「South of the Clouds」として中国の店舗で雲南単一産地豆が販売されました。現在は普洱(Pu'er)・保山(Baoshan)・徳宏(Dehong)・臨滄(Lincang)・西双版納(Xishuangbanna)の5〜6産地が中核で、ゲイシャやティピカ・ブルボン・SL34など高品質品種への切り替えと高地化(1,500〜2,000m)が同時進行しています。


代表的な産地・農園

代表的な農園

  • 普洱(プーアル) Pu'er
    🏆 中国コーヒー生産量No.1産地
    📍 中国・雲南省普洱市 ⛰️ 約1,100〜1,600m

    雲南省最大のコーヒー産地で年産約5万トン規模。「中国コーヒーの首都」と呼ばれる。スターバックスが2012年にアジア初のファーマーサポートセンターを開設し、CAFE Practicesに基づく品質改善とスペシャルティ化を主導している

  • 保山(バオシャン) Baoshan
    🏆 保山アラビカ GI登録産地
    📍 中国・雲南省保山市(潞江壩・新寨村ほか) ⛰️ 約1,000〜1,500m

    雲南で最も古いコーヒー産地の一つで、潞江壩(ヌジャンバ)一帯は樹齢の長い古木が残る。新寨(Xinzhai)村はFAO「One Country One Priority Product」プログラムに登録された保山アラビカGI産地で、地理的表示として標高1,000〜1,500mの規格が定められている

  • 徳宏(ドゥホン) Dehong
    📍 中国・雲南省徳宏タイ族チンポー族自治州 ⛰️ 約900〜1,400m

    雲南でアラビカが最初に商業導入された地域(1914年頃)で、中国最大のコーヒー遺伝資源バンクを擁する研究拠点。ミャンマー国境に近く、独自の伝統的栽培文化が残る

  • 朱苦拉村(雲南コーヒー発祥地) Zhukula Village
    🏆 中国コーヒー発祥地(1892年)
    📍 中国・雲南省大理ペー族自治州ビン川県 ⛰️ 約1,300m前後

    1892年にフランス人宣教師アルフレッド・リエタールがアラビカを持ち込んだとされる中国コーヒー発祥の地。現在も100年以上の古木が残り、地域文化遺産として保全されている


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫
2
果肉除去
3
水洗い・発酵
4
乾燥
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味 苦味 甘み コク 香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎 深煎り

ミディアム ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味 酸味 コク 軽い 中国 雲南 エチオピア イルガチェフェ インドネシア マンデリンG1 ベトナム ロブスタ タンザニア キリマンジャロ ブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:88〜92℃
  • 挽き目:中挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ/エアロプレス(クリーンなボディとマイルドな甘みを引き立てる)
  • 豆の量:11〜13g / 200ml(11g → ナッツとカカオの優しい甘み、13g → 黒糖の余韻とコクが厚みを増す)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準 1:18(200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

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