ラオス ボラベン高原

火山性土壌が育む柑橘と花の高原アラビカ

ラオス南部の標高1,000〜1,350mに広がるボラベン高原。火山性土壌と冷涼な気候のもと、フランス植民地時代に持ち込まれたティピカやブルボン、後発のカティモールが小農1,800世帯のCPC協同組合の手で柑橘と花の香り立つ一杯へと仕上がります


産地情報

産地ラオス南部 チャンパサック県/セコン県 ボラベン高原(Bolaven Plateau)
品種ティピカ/ブルボン/カティモール/カトゥーラ
標高1,000〜1,350m(アラビカ主体)
味わい柑橘・花・ミルクチョコレート・甘い果実感・クリーンな後味

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:ティピカ(Typica)

アラビカ種の最も原種に近い品種のひとつ。1915〜1920年代にフランス人がボラベン高原に持ち込み、火山性土壌と高地気候のもとで定着した。背が高く収量は少ないが、繊細な酸と上品な甘さが出やすい。病害虫に弱いため近年はカティモールへの植え替えも進んでいる

  • アラビカ原種に近い古典品種
  • フランス植民地期1915〜20年代にラオスへ導入
  • 繊細な柑橘酸と花の香り
  • さび病に弱く管理コストが高い

ラオス ボラベン高原とは

ボラベン高原(Bolaven Plateau)は、ラオス南部のチャンパサック県・セコン県・サラワン県・アタプー県にまたがる広大な台地で、標高は1,000〜1,350m、東西約60km・南北約50kmに広がる。100万年以上前の火山活動で形成された玄武岩質の赤土が、コーヒーの根に必要な水はけと豊富なミネラルを同時に提供する天然の理想圃場だ。南部4県だけでラオス国内コーヒー生産の95.9%を占める(Wikipedia「Coffee production in Laos」、laoscoffee.org)。

フランス植民地期に始まる栽培史

ラオスにコーヒーが持ち込まれたのは1915〜1920年代、フランス植民地政府が高原のメコン川沿いに入植者向けプランテーションを試したのが起源とされる。当初はティピカとブルボンが中心だったが、ベトナム戦争期(1960〜70年代)に圃場の多くが放棄され、戦後はさび病耐性の高いカティモールやロブスタへの植え替えが進んだ。現在ラオスの作付け構成はロブスタ約75%・アラビカ約25%だが、アラビカ比率は年々上昇している(Sweet Maria’s、laoscoffee.org)。

「高地ロブスタ」と精製の二極化

ボラベン高原の独特な点は、通常は標高の低い土地で栽培されるロブスタが標高800m前後でも栽培されること。冷涼な気候のおかげで、ロブスタも雑味の少ないチョコレートとボディを持つ「高地ロブスタ」として国際的な評価を得ている。一方アラビカは1,000〜1,350mでティピカ・ブルボン・カティモール・カトゥーラが栽培され、ウォッシュド精製が中心。Sinouk Coffeeなど一部生産者はハニーやナチュラルも手掛ける。


代表的な生産者・農園

代表的な農園

  • ボラベン高原コーヒー生産者協同組合(CPC)Bolaven Plateau Coffee Producers Cooperative (CPC)
    🏆 2012年 Laos Best Coffee Exporter 受賞/フェアトレード・有機認証
    📍 ラオス・チャンパサック県 パクソン/ラオガム/タテン地区⛰️ 1,000〜1,350m

    2007年にラオス政府とフランス開発庁(AFD)の支援で設立された100%農家所有の協同組合(旧称AGPC)。3地区55村に広がる約1,855世帯(平均3ha/世帯)が参加し、年間1,000トン超のグリーンコーヒーを輸出。フェアトレード・有機認証を取得し、欧州・北米・日本のスペシャルティバイヤーへ供給する

  • シヌーク・コーヒー(Sinouk Coffee)Sinouk Coffee
    📍 ラオス・チャンパサック県 ボラベン高原(パクセから約1時間半)⛰️ 1,000〜1,200m

    1994年設立、ラオスを代表する民間コーヒーブランド。シェードツリー栽培の有機アラビカを自社農園で生産し、ウォッシュド・ハニー・ナチュラルを使い分けるほか、近隣農家からも集荷。10月〜11月の収穫期にはアグリツーリズム拠点としても機能する

  • パクソン・ハイランド(Paksong Highland Coffee)Paksong Highland Coffee
    📍 ラオス・チャンパサック県 パクソン地区⛰️ 1,200〜1,350m

    22品種以上のアラビカを試験栽培するスペシャルティ志向の民間農園・精製所。サステナブル農法と品種多様化に注力し、海外バイヤー向けマイクロロットを年々拡大している


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫
2
果肉除去
3
水洗い・発酵
4
乾燥
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴

CPCを中心としたボラベンのアラビカはフルウォッシュド(水洗式)G1規格が主流。収穫したチェリーを発酵槽で36〜48時間水洗発酵させ、パーチメントを天日乾燥した後にハンドピックで欠点豆を除去する。乾季(11月〜3月)の安定した晴天と冷涼な夜が、クリーンで透明感のあるカップと柑橘系の明るい酸を引き出す。Sinouk Coffeeなど一部生産者はハニープロセス・ナチュラルにも取り組み、フレーバーレンジを広げている。


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ミディアム ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いラオス ボラベン高原エチオピア イルガチェフェインドネシア マンデリンG1ベトナム ロブスタタンザニア キリマンジャロブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:88〜92℃
  • 挽き目:中挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ/フレンチプレス(柑橘とミルクチョコの両立)
  • 豆の量:12〜14g / 200ml(12g → 柑橘と花が軽やかに広がる、14g → チョコレートと甘い余韻が厚みを増す)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準 1:18(200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

コメント

コメントを書く

👁