
ペルー カハマルカ
生産量国内最大22%、アンデス北部の小規模農家が紡ぐ柑橘とフローラル
ペルー北部カハマルカ州、標高1,400〜2,050mのアンデス北部高地。国内生産シェア最大22%を占める最大産地で、カトゥーラ・ティピカ・ブルボン主体のウォッシュド。協同組合APROCASSIが小規模農家を束ね、柑橘・フローラル・アプリコットの清澄な甘みを生む
産地情報
| 産地 | ペルー・カハマルカ州(ハエン郡/サン・イグナシオ郡/ラ・コイパ地区周辺) |
|---|---|
| 品種 | カトゥーラ/ティピカ/ブルボン/パチェ/カティモール |
| 標高 | 約1,400〜2,050m(アンデス北部高地) |
| 味わい | オレンジブロッサム・アプリコット・ブラウンシュガー・バニラ・チェリーの清澄な甘み |
品種情報
品種:カトゥーラ(Caturra)/ティピカ(Typica)/ブルボン(Bourbon)
カハマルカではカトゥーラが約4割、ティピカが約3割、ブルボンとパチェがそれぞれ約1割を占め、カティモール・カスティージョ・ムンドノーボも少量栽培される。カトゥーラはブルボンの自然突然変異で樹高が低く密植に向き、ティピカはアラビカ最古の系統で19世紀にアンデス北部へ持ち込まれた。標高1,600〜2,050mのラ・コイパ地区はサン・イグナシオ郡の中でもスペシャルティ農家が最も集中する一帯として知られる
- カトゥーラ約4割・ティピカ約3割が主力品種
- 標高1,400〜2,050mのアンデス北部高地
- 小規模農家中心(多くが3〜5ha規模)でオーガニック比率が高い
- COE(カップ・オブ・エクセレンス)受賞ロットを複数輩出
ペルー・カハマルカコーヒーとは
ペルー(Peru) は世界有数のコーヒー生産国で、2025/26年度(4月〜翌3月)の生産量は600kg換算で約420万袋(60kg袋)と前年比8%増の見込みです。生産はアンデス東斜面の セルバ・アルタ(高地ジャングル) に集中し、北部の カハマルカ、中央部のフニン、北東部のサンマルティン・アマソナスが主要産地を形成します。
カハマルカ州(Cajamarca) はペルー北部、エクアドル国境に近いアンデス高地に位置し、国内コーヒー生産シェアの約22%を占める ペルー最大の産地 です(サンマルティン州20%、フニン州19%が続く)。州内では特に ハエン郡(Jaén) と サン・イグナシオ郡(San Ignacio) にコーヒー生産が集中し、なかでも ラ・コイパ地区(La Coipa) はスペシャルティ農家の密度が最も高いエリアとして知られています。
栽培高度は 1,400〜2,050m、年平均気温16〜20℃という冷涼な高地気候で、昼は日差しが強く夜は冷え込む寒暖差がコーヒーチェリーの糖度を高めます。州内の生産は1〜5ha規模の小規模農家が中心で、APROCASSI(634名以上)やCENFRO(2,400名以上)など複数の協同組合が家族経営の生産者を束ねています。収穫期は4月〜9月(ピークは5〜8月)で、大半の農家が ウォッシュド精製 を採用し、当日中の果肉除去・12〜18時間の発酵・水洗・天日乾燥という工程を踏みます。
歴史的には2013年に始まったさび病(コーヒーさび病菌 Hemileia vastatrix)の流行が長く生産に影を落とし、現在も全国の作付けの約4割が影響を受けています。標高1,500m以下ではコーヒーノキ・ベリーボーラー(Hypothenemus hampei)の被害も続いていますが、カハマルカは標高が高いエリアが多く相対的に被害を受けにくい立地です。こうした逆境のなかで小規模農家が品質に活路を見出し、カップ・オブ・エクセレンス(COE)ペルー大会 では2024年に同州エル・ミラドール農園のカトゥーラ・ブルボン・ゲイシャのウォッシュドが90.54点でプレジデンシャル賞を受賞するなど、国内外の評価が年々高まっています。ペルーは世界最大のオーガニック認証コーヒー輸出国でもあり、カハマルカもその中心的な担い手です。
代表的な産地・生産者
代表的な農園
- APROCASSI(協同組合)Asociación Provincial de Cafetaleros Solidarios San Ignacio🏆 設立から20年超の老舗協同組合(2000年設立)
1997年の鉱山開発への抗議運動を契機に地域住民が結束し、2000年に正式発足した協同組合。現在はハエン・サン・イグナシオ両郡の生産者634名以上が参加し、1,500ha超を栽培。ジェンダー平等の推進や若手生産者の育成、植林による生態系保全にも力を入れ、カトゥーラ・ティピカ・ブルボン・カティモール・パチェをウォッシュドで欧米市場へ輸出
- エル・ミラドール農園(ミゲル・パディージャ・チングエル氏)El Mirador Farm (Miguel Padilla Chinguel)🏆 COEペルー2024 プレジデンシャル賞(90.54点)
カトゥーラ・ブルボン・ゲイシャをブレンドしたウォッシュドロットで、2024年カップ・オブ・エクセレンス ペルー大会にてプレジデンシャル賞(90.54点)を受賞。家族経営の小規模農家が国際審査員団から高評価を得た代表例
- ラ・コイパ地区(サン・イグナシオ郡)La Coipa District, San Ignacio
サン・イグナシオ郡の中でもスペシャルティ農家の密度が最も高い高地区。年平均気温16℃前後の冷涼な気候と粘土質土壌が特徴で、オレンジブロッサム・フィグ・アプリコットなどフローラル&フルーティな個性的ロットを輩出する
精製方法
精製方法
ウォッシュド
Washed / Wet Process
豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴
フレーバーチャート
フレーバーチャート
おすすめの焙煎度
おすすめの焙煎度
シナモン ロースト
ポジショニングマップ
ポジショニングマップ
淹れ方のポイント
- お湯の温度:86〜90℃
- 挽き目:中細挽き
- 抽出方法:ペーパードリップ(オレンジブロッサムとアプリコットのフローラルな甘みを活かす浅煎り向け)
- 豆の量:12〜14g / 200ml(12g → 柑橘の酸味と透明感が前面に、14g → アプリコットジャムのような甘みとボディが増す)
📏 基準のエビデンス
- 豆の量:SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準 1:18(200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
- お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に浅煎りはアロマを損なわぬよう低め設定)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
- 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association
参考文献・情報ソース
- USDA FAS — Peru: Coffee Annual 2025
- Daily Coffee News — Peru Coffee Report: Production Rebounds as US Remains Key Buyer (2025)
- Wikipedia — Coffee production in Peru
- Sustainable Harvest — Aprocassi, Peru
- InterAmerican Coffee — Peru Aprocassi SHG
- Alliance for Coffee Excellence — Perú 2024 Cup of Excellence Results
- Amavida Coffee Roasters — Miguel Padilla Chinguel, El Mirador
- World Brewers Cup — 手動ドリップ世界選手権 公式ルール(参考レシピ基準)
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