在来種(ヘイルーム)
在来種
在来種(ヘイルーム/ランドレース)は、特定の品種名ではなく、エチオピアで受け継がれてきた多様なアラビカの在来集団をまとめて呼ぶ言葉です。エチオピアの商社Ethiocoffeeの解説は、「ヘイルーム」は公的に定義された用語ではなく、業界で使われる呼び名だとしています。査読研究(PMC3689350)では、エチオピア南西部がアラビカ種の遺伝的多様性の主要な中心とされています。英国のキュー王立植物園は、アラビカの起源をエチオピア南部と南スーダンの森林としています。World Coffee Research(WCR)は、ゲイシャもエチオピアの在来系統(landrace)として記載しています。
在来の品種や系統がいくつあるのか、「在来種」として流通するロットにどの系統がどれだけ含まれるのか、在来種であることと風味との関係は、一次資料では確認できていません。豆を選ぶときは、エチオピア知的財産庁(EIPA)が海外で商標として登録した産地名(ハラール・イルガチェフェ・シダモ)のように、産地名まで明記されたロットを選ぶと、どこで育った豆かをたどりやすくなります。
訂正(2026-10-14): 在来種を「数千種ともいわれる」アラビカ在来集団とし、「長い年月をかけて土地固有の気候や土壌に適応してきた」「ベリー系の甘さやフローラルな香りなど個性豊かな味わいが持ち味」と記載していましたが、在来品種の数は一次資料で確認できず(コーヒー豆の品種一覧の記事の2026-09-29の訂正)、野生集団の分化の時期(エチオピア カッファの記事の2026-10-11の訂正)と、遺伝資源と風味の因果(エチオピア グジの記事の2026-09-29の訂正)も確認できなかったため改めました。あわせて、一次資料で確認できない「産地や農園ごとに遺伝的な個性や風味の幅が大きく異なる」の記述を外し、査読研究とキュー王立植物園の資料で確認できる遺伝的多様性と起源の範囲に改めました。
エチオピア ウォレガ
「レケンプティ」の名で流通した西の産地、チョコレートと蜂蜜のコク
西エチオピア・ウォレガ地方は、西部産コーヒーの取引名「レケンプティ」で流通してきた伝統産地です。ナチュラル精製を中心に、チョコレート・ハチミツのコクからワインのような果実味まで幅広い個性を持ちます
エチオピア カッファのコーヒー|野生アラビカが自生する森と語源説
「コーヒー」の語源とする説がある、野生アラビカが自生する森
エチオピア南西部のカッファ地方は、野生アラビカの起源地とされる産地。2010年にユネスコ生物圏保存地域に指定された森では野生アラビカが自生し、UNESCOは「約5,000のwild varieties」と紹介する。「コーヒー」の語源とする説(確定していない)、森林コーヒーなど3つの栽培形態を解説
エチオピア ハラーのコーヒー|東部の乾燥高地の産地と、ナチュラル精製ロットの味
東の乾いた高地の産地と、ブルーベリーとワインの記憶
エチオピア東部、東ハラーゲ県などの乾燥高地(OCFCUの資料で標高1,510〜2,120m)で育つハラー。ナチュラル精製のロットはブルーベリーやワインを思わせる果実味が出るとされ、ECTAの輸出業者名簿はハラーの風味を「Tipical moka flavor」(原文ママ)と記す
メキシコ チアパスのコーヒー|国内最大の産地とエル・トリウンフォの協同組合
メキシコ有数の雲霧林、エル・トリウンフォが育む協同組合コーヒー
メキシコ南部チアパス州、ユネスコ生物圏保護区エル・トリウンフォの緩衝地帯で栽培されるアラビカ。CESMACHとフィンカ・トリウンフォ・ベルデという2つの協同組合が、先住民農家とともにブルボン・ティピカを手摘みし水洗式コーヒーを生み出す産地です
エチオピア グジ
ナチュラル精製が主体のグジ、ベリーとトロピカルフルーツの風味
エチオピア南部グジ地帯産のナチュラルは、ベリーやトロピカルフルーツを思わせる風味が挙げられます ウラガ・シャキソ・ハンベラなどの郡を中心に、産地と精製方法を紹介します
メキシコ ピーベリー
丸豆が凝縮した、チョコとスパイスの深み
メキシコ・オアハカ州プルマ・イダルゴ産の希少なピーベリー(丸豆)。通常の2粒が1粒に凝縮した豆は風味が濃密で、チョコレートとスパイスが絡み合う個性的な一杯を生み出します
エチオピア シダモのコーヒー|モカ・シダモの産地・精製方法と味の特徴
エチオピアの大地が宿す、野生のブルーベリーと花の饗宴
エチオピア南部シダモ(シダマ)のコーヒー。流通名は「モカ・シダモ」。生産者組合連合会(SCFCU)の資料では、組合のコーヒーの約95%がウォッシュドで、多くは在来の樹木の木陰で栽培される。ナチュラル精製のロットのブルーベリーやジャスミンのような香りも紹介
エチオピア モカ・イルガチェフェ|コーヒーの味・産地・フローラルな香りの理由
アラビカ種の起源地の一つ、エチオピアが育む花とベリーの香り
エチオピア イルガチェフェのコーヒーはどんな味か。在来種をモカ伝統のウォッシュドで仕上げ、ジャスミン・ベルガモット・ブルーベリーが重なる花の香りとベリーの酸が特徴です。アラビカ種の起源地の一つエチオピアの、代表的なフローラル系スペシャルティです
参考文献・情報ソース