エクアドル ピチンチャ

首都キトを望む雲霧林で、退職者や異業種出身者が磨く小規模スペシャルティ

エクアドル中北部ピチンチャ県、標高1,400〜2,000mの雲霧林。ティピカ・カトゥーラ主体、AACRI(Rio Intag)やAAPROCNOPなど小規模組合がウォッシュド精製を軸にチョコレート・キャラメル・柑橘の複雑な風味を作る


産地情報

産地エクアドル・ピチンチャ県(インタグ渓谷/アランビ地区、首都キト近郊アンデス北部)
品種ティピカ/カトゥーラ
標高約1,400〜2,000m(アンデス西斜面・雲霧林)
味わいチョコレート・キャラメル・トフィー・ローストアーモンド、柑橘と蜂蜜の甘み

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:ティピカ(Typica)/カトゥーラ(Caturra)

ピチンチャ県で栽培される品種はティピカとカトゥーラが主体で、南部ロハ県のような固有交配品種(ティピカ・メホラド等)はまだ少ない。標高1,400〜2,000mの雲霧林という冷涼な環境で、コーヒーチェリーがゆっくり成熟することがピチンチャ産の複雑な風味の土台になっている。インタグ渓谷では在来樹種の日陰で有機・アグロフォレストリー栽培されるのが伝統的なスタイルで、単一品種の大規模プランテーションとは対照的な小規模家族農園が中心

  • 首都キト近郊、標高1,400〜2,000mの雲霧林テロワール
  • ティピカ・カトゥーラ主体の伝統品種
  • 在来樹種の日陰で育つアグロフォレストリー栽培
  • 小規模家族農園・退職者による新規参入農園が混在

エクアドル・ピチンチャコーヒーとは

エクアドル(Ecuador) のコーヒー生産は、南部のロハ県・サモラ・チンチペ県と並び、首都キトを擁する中北部の ピチンチャ県(Pichincha) がもう一つの主要産地です。ピチンチャ山の裾野からアンデス西斜面にかけて広がる 標高1,400〜2,000m の雲霧林(クラウドフォレスト)が、赤道直下でありながら冷涼な栽培環境をコーヒーチェリーに与えています。

ピチンチャ県内でも特に知られるのが北西部の インタグ渓谷(Valle de Intag) です。この地域では1998年、鉱山開発への経済的代替手段として AACRI(Asociación Agroartesanal de Caficultores Río Íntag、リオ・インタグ農産コーヒー生産者協会) が18世帯の生産者により設立されました。現在は150家族規模まで拡大し、在来樹種の日陰で有機栽培されたコーヒーを「Café Rio Intag」として国内外に流通させています。

もう一つの特徴的な生産者グループが、ピチンチャ北西部の AAPROCNOP(アルチザンコーヒー生産者協会) です。医師や弁護士など異業種出身の退職者を含む12名の小規模生産者で構成され、14時間のアナエロビック発酵を取り入れたフルウォッシュド精製でSCA84点以上のスコアを獲得するロットも生産しています。ロハ県が伝統的な小農中心の産地であるのに対し、ピチンチャ県はこうした異業種出身者による事業性の高い農園が増えているのが対照的な特徴です。

エクアドル全体のコーヒー生産量は 約35.5万袋(60kg換算、2024/25年度) と中南米の中では小規模で、アラビカとロブスタがほぼ半々を占めます。国内消費の増加により輸出量は近年減少傾向にありますが、ピチンチャ・ロハ両県のスペシャルティロットは国際的な評価を着実に高めています。


代表的な産地・生産者

代表的な農園

  • AACRI(Rio Intag)Asociación Agroartesanal de Caficultores Río Íntag
    🏆 オーガニック認証・フェアトレード的取引モデル
    📍 エクアドル・ピチンチャ県インタグ渓谷(アプエラ周辺)⛰️ 約1,000〜1,800m

    1998年、鉱山開発への経済的代替として18世帯の生産者で設立された協同組合。現在は150家族規模に拡大し、在来樹種の日陰で有機・アグロフォレストリー栽培を実践。手摘み・天日乾燥・ハンドソートまでを組合内アプエラ施設で一貫して行い、「Café Rio Intag」として日本・スペイン・北米へ輸出

  • AAPROCNOPAsociación de Productores de Café Orgánico del Noroccidente de Pichincha
    📍 エクアドル・ピチンチャ県北西部⛰️ 約1,400〜2,000m

    医師や弁護士など異業種出身の退職者を含む12名の生産者からなる小規模組合。フルウォッシュド精製に14時間のアナエロビック発酵を組み合わせ、SCA84点以上のスコアを獲得するロットを産出。チョコレート・キャラメル・トフィー・ローストアーモンドの風味が特徴

  • Finca Cruz Loma(クルス・ロマ農園)Finca Cruz Loma, Pichincha
    📍 エクアドル・ピチンチャ県北部の未開ジャングル地帯

    ピチンチャ県北部の未開拓ジャングルに位置する農園で、ハニープロセスを採用。濃厚な甘みと質感が際立つ精製ロットを産出し、地域内での精製方法の多様化を象徴する存在


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫
2
果肉除去
3
水洗い・発酵
4
乾燥
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ミディアム ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いエクアドル ピチンチャエクアドル ロハブラジル サントスNo.2コロンビア ウイラグアテマラ ウエウエテナンゴインドネシア マンデリンG1

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:88〜92℃
  • 挽き目:中挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ/フレンチプレス(チョコレート・キャラメルのコクを引き出す)
  • 豆の量:12〜14g / 200ml(12g → 柑橘と蜂蜜の軽やかさが際立つ、14g → キャラメルとナッツのコクが厚みを増す)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準 1:18(200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

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