ペルー プーノ

2010年SCAA世界一、コカ畑から生まれ変わった渓谷

ペルー南東部プーノ県サンディア郡、アンデスと熱帯雨林が接する渓谷。標高1,600〜2,000mでティピカ主体のフルウォッシュド、協同組合セコバサが2010年SCAA世界一「トゥンキ」を産んだ。かつてコカ栽培地だった谷がコーヒーで生まれ変わった希少産地


産地情報

産地ペルー・プーノ県サンディア郡(サンフアンデルオロ/サンペドロデプティナプンコ/ヤナワヤ/アルトイナンバリ一帯、タンボパタ川・イナンバリ川渓谷)
品種ティピカ(約7割)/カトゥーラ/ブルボン/カティモール
標高約1,300〜2,000m(トゥンキマヨ地区は1,600〜2,000m)
味わいフローラルな香り、チョコレート・糖蜜の甘み、柑橘とレッドベリーの余韻

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:ティピカ(Typica)/カトゥーラ(Caturra)/ブルボン(Bourbon)/カティモール(Catimor)

サンディア渓谷は標高1,300〜2,000mの範囲でティピカが全体の約7割を占める。カトゥーラも古くから栽培され、1980年代のUNODC代替開発事業以降はブルボンの作付けも増えた。さび病対策として近年カティモールも一部導入されている。トゥンキマヨ地区など標高1,600m超の区画は特にティピカ比率が高く、渓谷全体でも標高がとりわけ高いことで知られる

  • ティピカが主力品種で全体の約7割を占める
  • 標高1,300〜2,000mとペルー国内でも高標高帯
  • かつてコカ栽培地だった渓谷でUNODC支援下のコーヒー転換が進んだ
  • 協同組合セコバサが小規模農家を束ねる

ペルー・プーノコーヒーとは

ペルーは2026/27年度(4月〜翌3月)の生産量が約478万袋(60kg袋換算)、前年比0.3%増とほぼ横ばいの見通しです。栽培面積は約34万ha(前年比1.5%増)で、コーヒーは国内25州のうち16州で栽培されています。主要4州(カハマルカ州22%・サンマルティン州20%・フニン州19%・アマゾナス州15%)で国内生産の76%を占め、プーノ州はこの上位4州には含まれない中小規模の産地です。

プーノ州は南東部、ボリビア国境近くのチチカカ湖で知られる高原地帯ですが、コーヒー産地としてはアンデス東斜面が熱帯雨林(アマゾン低地)へ落ち込む**サンディア郡(Sandia)**の渓谷一帯に限られます。サンフアンデルオロ・サンペドロデプティナプンコ・ヤナワヤ・アルトイナンバリなどの郡区が中心で、タンボパタ川・イナンバリ川が刻む渓谷の標高1,300〜2,000mで栽培されます。プーノ州全体の栽培面積は約1万ha、年間生産量は約6,940トンとされ、上位4州に比べれば小規模ながら、標高の高さと品質の評価では国内屈指の産地です。

この渓谷はかつてコカ栽培が盛んな地域でした。1980〜90年代、麻薬取引組織の影響下でコカ以外に生計手段を持たない農家が多かった一帯に対し、国連薬物犯罪事務所(UNODC)の代替開発事業が持続可能な高品質コーヒー栽培の技術支援を行い、農家をコーヒー生産へ転換させました。2000年代以降は一部でコカ栽培が再び拡大する動きも報告されていますが、サンディア渓谷のコーヒー生産者組織はこの転換を軸に品質向上へ取り組み続けています。

精製は大半がフルウォッシュドです。収穫したチェリーを当日中に機械式パルパーで果肉除去し、最大20時間ほど発酵させたのち水洗、パティオ(天日干し場)で乾燥させます。カッピングでの評価は「フローラルな香りに、チョコレートと糖蜜を思わせる甘み、柑橘とレッドベリーの余韻」とされ、標高の高さゆえの明るい酸とボリューム感のある甘さが両立するプロファイルが特徴です。


代表的な産地・生産者

代表的な農園

  • セコバサ(サンディア渓谷コーヒー農業協同組合中央会)CECOVASA (Central de Cooperativas Agrarias Cafetaleras de los Valles de Sandia)
    🏆 2010年 SCAA世界最高評価、2009年 ペルー・カップ・オブ・エクセレンス入賞
    📍 ペルー・プーノ県サンディア郡(サンフアンデルオロ/サンペドロデプティナプンコ/アルトイナンバリ他)⛰️ 約1,300〜2,000m

    1970年、公正な価格での輸出を目指す複数の協同組合が統合して設立。ケチュア・アイマラの民族的背景を持つ生産者を束ね、現在はプーノ・クスコ両県にまたがる10の小協同組合・約5,000戸の農家家族が加盟する。フェアトレード・有機・レインフォレスト・アライアンス認証を取得し、傘下ブランド「トゥンキ(Tunki)」は2010年SCAA(米国スペシャルティコーヒー協会)フェアで世界最高評価を獲得、2009年ペルー・カップ・オブ・エクセレンスでも入賞している

  • トゥンキマヨ地区(トゥンキ協同組合)Tunkimayo, Cooperativa Tunki (CECOVASA member)
    📍 ペルー・プーノ県サンディア郡サンフアンデルオロ周辺⛰️ 約1,600〜2,000m

    セコバサ傘下の小規模農家組合で、渓谷内でもとりわけ標高の高い区画に位置する。名称は絶滅危惧種のアンデスイワドリ(ケチュア語でトゥンキ)に由来し、環境保全と両立した栽培を掲げる。ティピカを中心にカトゥーラ・ブルボンを混植し、フルウォッシュドで精製する


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫
2
果肉除去
3
水洗い・発酵
4
乾燥
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

シナモン ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いペルー プーノペルー カハマルカペルー サンマルティンペルー チャンチャマヨエチオピア モカ・イルガチェフェパナマ ゲイシャ

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:85〜90℃
  • 挽き目:中細挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ(フローラルな香りと柑橘・レッドベリーの余韻を活かす)
  • 豆の量:13〜15g / 200ml(13g → フローラルさと軽やかな酸が前面に、15g → チョコレートと糖蜜の甘みが増す)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準 1:18(200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

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