Weston Japow

コロラドの Weston が作る、巨大なノーズと25mmのテーパー、スワローテールのパウダーボード――公式が「ultimate powder slayer」と呼ぶ1本

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Weston「Japow」の解説――2012年から(Since 2012)板を作るコロラドのブランドが作るテーパード・ディレクショナルのスワローテール。144〜169cmの公式スペック(有効エッジ・サイドカット・テーパー25mm・重量)、Whitelines・OutdoorGearLab・The Good Ride の評価と、資料ごとにずれるセットバックやプロファイルの表記


「Japow」は、米コロラド州のブランド Weston(About の所在地はレイクウッド) が作るスワローテールのパウダーボードです。公式の2026/27年モデルのページは、巨大なノーズ、強いテーパー、象徴的なスワローテールを備えた「ultimate powder slayer(究極のパウダー・スレイヤー)」と紹介しています。一方で公式は「日本でのシュノーケルデイ(深雪の日)専用ではない」とも書き、ランアウト(滑走の末端)でもしっかりエッジが効くと説明します。

ブランドとモデルの位置づけ

Weston の公式「About」ページは、同社が2012年から(Since 2012)スプリットボード、スキー、スノーボードを作ってきたと書いています。2026/27年モデルのページには「Designed in Colorado, Manufactured at GP87」とあり、デンバーから出荷する旨も記載されています(The Good Ride は製造国を中国としています)。

Japow がいつ最初に発売されたかは、今回照合できた資料に書かれていませんでした。確認できる最も古い資料は Whitelines の2019-2020年モデルのレビュー(2019年9月9日)で、前年のトップシートが白だったと書くため、少なくとも2018-2019年にも同名の板があったと読めます。公式ページは受賞歴として Outside Magazine の Gear of the Year 2019 と Blister の Best of 2021 を挙げています(それぞれの原典は今回確認していません)。The Good Ride は、2021年に初めて試乗してから2027年の更新まで、この板は大きく変わっていないと書いています。

名前の由来そのものを説明した資料はありませんでした(OutdoorGearLab は名前から日本のような雪を連想する書き方をしています)。Whitelines は2019年のレビューで Japow を「Weston’s Japanese inspired deck」と呼び、バックカントリーでの実力を強調する一方、価格はニッチで専門的だとし、休暇先が1月のニセコなら優先順位が少し上がるかもしれない、と条件つきで書いています。

シェイプ

Weston Japow(2026/27年モデル):左は白地に山と波のイラストと赤い円(太陽)、下端がスワローテールに割れたトップデッキ、右は黒と白の山形ロゴのベース

画像:Weston Japow(2026/27年モデル、トップデッキとベース)。アートワークは John Fellows(公式表記)
出典:Weston 公式サイト(westonbackcountry.com)製品画像

※ 製品画像の著作権は Weston に帰属します。本記事は批評・解説目的での参照引用です。権利者からの削除要請があれば速やかに対応します。

公式は形を「Tapered Directional Swallow-Tail」と記載しています。ノーズが広く、テールは細く、先がスワローテールに割れる形です。サイドカットは2つの半径で示され(例:164cm で 9.3m/7.2m)、どちらがノーズ側かは公式に書かれていません。The Good Ride は multi-radius と表記しています。公式のスペック表ではテーパーはどのサイズも25mmです。

Whitelines(2019年)は、ノーズの「早いロッカーの立ち上がり」と25mmのテーパーが深雪での滑走を助け、スワローテールがテールを沈めて強いチルト(傾き)を作ると説明します。The Good Ride も、強くテーパーしたディレクショナルで、スタンス位置がかなり後ろ寄りの板だとまとめています。

スペック(公式、2026/27年モデル)

サイズ 有効エッジ サイドカット ウエスト幅 ノーズ/テール幅 テーパー セットバック 重量
144cm 113.5cm 8.1m/6.0m 24.6cm 30.2/27.7cm 25mm 0mm 2.41kg
149cm 116cm 8.4m/6.3m 25.2cm 30.7/28.2cm 25mm 0mm 2.49kg
154cm 119cm 8.7m/6.6m 25.6cm 31.0/28.5cm 25mm 0mm 2.78kg
159cm 123.5cm 9.0m/6.9m 26.2cm 31.7/29.2cm 25mm 0mm 3.01kg
164cm 125.5cm 9.3m/7.2m 26.6cm 32.2/29.7cm 25mm 0mm 3.32kg
169cm 128.5cm 9.6m/7.5m 27.0cm 32.7/30.2cm 25mm 0mm 3.42kg

データソース:Weston 公式の Japow Snowboard 26/27 製品ページの「SPECS」表(2026年10月確認)。公式のスペック表のセットバック欄は全サイズ0mm です。一方 The Good Ride は「Setback over 20mm」と書き、OutdoorGearLab も「binding inserts set back(インサートが後ろ寄り)」と説明します。Pack4Back の表は公式と同じ0cmです。公式のバインディング位置の定義が資料と違う可能性がありますが、原因は確認できていません。

推奨体重は公式表で、144cm が80〜150lb(36〜68kg)、149cm が105〜175lb(48〜79kg)、154cm が115〜185lb(52〜84kg)、159cm が140〜210lb(64〜95kg)、164cm が165〜235lb(75〜107kg)、169cm が190〜260lb 以上(86〜118kg 以上)です。

項目 内容
コア Slayer Core(ポプラ+バンブーのストリンガー)。evo の2026年モデルのページ(144cm 表示)は「ポプラ91%/バンブー9%」
補強 トライアキシャル・グラスファイバー、テールのインサートからテールのコンタクトポイントまでのカーボンストリンガー
ベース Sintered Durasurf 4001
サイドウォール 公式の特徴表は UHMW、商品説明は PU と記載(表記が割れている)
トップシート ヒマシ豆由来の頑丈なナイロン(公式の持続可能性の説明では、トップシートの一部がヒマシ豆由来)
フレックス 6(Whitelines 2019)、6/10(Whitelines 2021・evo)。The Good Ride は「Medium/Stiff」、足の間が硬く、ノーズは柔らかいとする
保証 4年
価格 659ドル(公式、2026/27年モデル)

プロファイルの呼び方は資料ごとに違います。公式の商品説明は「rocker-camber profile(ロッカーとキャンバー)」、evo は「ノーズにロッカー、足元はキャンバー」、Whitelines は2019年が Setback Camber、2021年が Camber、The Good Ride は Directional camber、公式の特徴表の「Camber Profile」欄は「Powder」と書いています。ノーズが持ち上がり、足元からテールにかけてキャンバーが入るという大筋は共通しています。

評価

資料 主な評価
Whitelines(2019年9月。テスターの評は Rob McCreath) 深雪を「滑らかで、力まず、静か」に感じさせる。軽い圧でよく曲がり、ゲレンデのカービングもできるが、価格はニッチで専門的(休暇先が1月のニセコなら優先順位が少し上がるかもしれない、という書き方)。テスターは深雪よりゲレンデで乗った時間のほうが長いと書いている。日本に戻るときに持っていく板が分かった、という趣旨
OutdoorGearLab(2021年1月、Marissa Fox。「女性用スノーボード」の比較テスト内の採点) 総合76点。パウダー10.0、エッジホールド8.0、安定性8.0、遊びやすさ6.0、ポップ5.0。最大のパウダーの日向けの優れた板だが万能ではなく、パークには向かない
Whitelines(2021年11月) 開けたパウダーには向くが、クーロワールの細い場所を縫うには向かないだろう。毎日の板ではなく、乗った日が記憶に残る板
The Good Ride(James Biesty、2021〜2027年) パウダー5/5、ベースの滑走4.5、カービング4.5、スピード4、不整地4、ジャンプ・パイプ2.5、スイッチとジビング1。浮力が良い、グルーマーを強くカービングできる、ベースが速い。一方、グルーマーでの小回りは得意でなく、ごく厚くて荒れた雪ではテールが跳ねて少し不安定になり、ラインから外されることがある、と書いている。レベルは上級〜エキスパート

4つの資料に共通するのは、パウダーの浮力と、深雪専用機のわりにゲレンデでも曲がることです。違いは遊びやすさと万能さの評価の強さで、OutdoorGearLab と Whitelines は用途を絞った板とし(Whitelines は2019年版・2021年版ともゲレンデのカービングも評価しています)、The Good Ride は、深雪用の板を探す人に強く勧めつつ、大きく長い板を理解している上級〜エキスパート向けとしています(乗り味の分類はスノーサーフ)。The Good Ride が似た板として挙げる中には、Korua Pencil や Gentemstick Barracuda、Jones Storm Chaser があります。

同じスワローテールの板との違い

スワローテールの起源は Winterstick Swallowtail と スワローテールの系譜 に詳しく書いています。国産のスワロー系は Gentemstick Mantaray で取り上げています。Burton Fish もスワローテールの板です。これらの板の形の違いは、各記事のスペック表で比べられます。Japow について確認できるのは、公式がパウダーの浮力を前面に出していること、テーパーが全サイズ25mmであること、レビューがゲレンデのカービングにも触れていることです。テールを割らずにゲレンデのカービングも狙う Dupraz D1 とは、テールの形が異なります。

rideType は、公式が「ultimate powder slayer」と説明し、The Good Ride がパウダーを5/5で評価していることから、パウダーに分類しました。ただし The Good Ride は乗り味の分類を Snowsurf としており、スノーサーフとしても読める板です。

参考文献

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