カトゥアイ(Catuaí)
カトゥアイ
カトゥアイは、ブラジルのカンピーナス農業研究所(IAC)が育成した人工交配品種です。IACの資料によると、1949年に交配され、1972年に公表されました。World Coffee Research(WCR)によると、親は黄色のカトゥーラとムンドノーボで、名前はグアラニー語で「非常に良い」を意味します。WCRの品種カタログでは、カトゥーラと同じくコーヒーさび病に弱い品種とされています。果実が赤く熟す型と黄色く熟す型の両方があります(WCR、IAC)。
精製の研究にも使われており、2024年のFoods誌に載った発酵試験では、カトゥアイ・ヴェルメーリョ IAC-144の試料を異なる発酵処理にかけると官能の特徴が分かれました。この試料についての結果で、品種全体の風味を示すものではありません。赤・黄それぞれの栽培の割合や、カトゥーラと比べた収量は、このページでは一次資料で確認できていません。豆を選ぶときは、品種欄の「カトゥアイ」とあわせて精製方法の表記を確かめると、ロットの違いを比べやすくなります。
訂正(2026-10-14): 「ムンドノーボとカトゥーラを交配して育成」と記載していましたが、World Coffee Researchの品種カタログでは親は黄色のカトゥーラとムンドノーボのため改めました(品種一覧ガイドの記述に合わせました)。あわせて、一次資料で確認できない「収量はカトゥーラよりさらに多い」「クセが少なく素直な甘みとまとまりの良さ」「標高1200m以上・中米産のウォッシュトを選ぶと、カトゥアイらしいクリーンな甘さと飲みやすさが生きます」の記述を外しました。
南アフリカ クワズール・ナタール
標高100m台の海沿いの農園を含む小さな産地
南アフリカのコーヒーは国土全体で約200ha・年120トン規模、国際コーヒー機関(ICO)にも加盟していない小さな産地です。南ア農業省の資料による栽培の歴史、標高100m台で栽培するポート・エドワードの農園Beaver Creek、SL28・カトゥアイ・カティモールF6を紹介します
ホンジュラス エルパライソのコーヒー|自治体別で生産量全国1位の町ダンリと産地の特徴
ニカラグア国境、コントラの拠点が置かれた県のコーヒー
ホンジュラス東部エルパライソ県、標高1,000〜1,600m。ダンリを中心に自治体別で全国1位の生産量へ成長し、さび病耐性のパライネマ種がパッションフルーツと花の香りを生む。ニカラグア国境の内戦地帯という歴史を抱えた産地です
タイ ドイトゥン
アヘン畑を森に変えた王室財団のアラビカ
タイ北部チェンライ県、故シーナカリン王太后が1988年に始めたドイトゥン開発プロジェクトがアヘン畑と荒廃林をアラビカの森へ変えた産地。標高800〜1,200mでカティモール系などを育ててウォッシュド精製、柑橘とナッツ、ミルクチョコレートの穏やかなカップでEU・日本のGIにも登録
パナマ ボルカン
バル火山を挟んでボケテの反対側、チョコレートとナッツの落ち着いた甘み
同じチリキ州でもゲイシャで名を馳せたボケテとはバル火山を挟んで反対側。カトゥーラ・カトゥアイなどが育つ火山灰土壌の産地で、チョコレートとナッツの落ち着いた甘みが持ち味です
コスタリカ トゥリアルバ
活火山の麓の産地とCATIEのコーヒー遺伝資源コレクション
活火山トゥリアルバの麓、ICAFE掲載値で標高600〜1,300mに広がるコスタリカの産地。国際農業研究機関CATIEが1949年からコーヒー遺伝資源のコレクションを守る「生きた種子庫」の地でもあり、穏やかな酸味とやさしい甘みが特徴のカップに仕上がる
タイ ドイチャン
アヘン畑から高地アラビカへ、アカ族が築いた協同組合
タイ北部チェンライ県ドイチャン、アヘン代替作物政策のもとアカ族・リス族が育てたアラビカが標高900〜1,600mで農家協同組合による直接輸出モデルへ成長、ダークチョコレートとキャラメル、オレンジ系シトラスが層をなすスペシャルティ産地
グアテマラ アカテナンゴ
活火山フエゴのそばで育つ、ナチュラル精製の果実味
グアテマラANACAFEが定める8つの産地プロフィールの一つアカテナンゴ渓谷は標高1,300〜2,000m 活火山フエゴの隣で農園を営み噴火の灰がミネラル豊富な土壌を作る De La Genteパートナーの小規模生産者組合はナチュラル精製でマンゴーやきび砂糖のような甘みを引き出す
ブラジル シャパーダ・ジアマンチーナのコーヒー|2024年に原産地呼称を得たバイーア州の高地産地
原産地呼称を得た新興高地ナチュラル
ブラジル北東部バイーア州の高原シャパーダ・ジアマンチーナは、2024年にコーヒーの原産地呼称(DO)を得た産地。仕様書が定める標高は原則850m以上。ピアタンの農園と小農家グループ、カトゥアイなどの品種、ナチュラル精製、オレンジとパネラ糖を思わせる甘さをまとめる
ニカラグア ヌエバセゴビア
ホンジュラス国境のディピルト-ハラパ山系、原産地呼称カフェ・ディピルトの産地
ニカラグア北部、ホンジュラス国境のディピルト・ハラパ山系に広がるヌエバセゴビア県のコーヒー産地です。カップ・オブ・エクセレンスに出品されたフィンカ・ブエノスアイレスや、原産地呼称のカフェ・ディピルトなど、明るい酸とシトラス感が際立つ高地コーヒーが揃います
ホンジュラス コパンのコーヒー|グアテマラ国境の産地と協同組合、キャラメルと柑橘の味
グアテマラ国境に接する西部の産地、キャラメルと柑橘の風味
ホンジュラス西部、グアテマラ国境に接するコパン県のコーヒー。IHCAFEが示す6産地の一つで、品評会資料にはカトゥーラ・カトゥアイの出品例がある。1999年設立のコカフカル協同組合、精製方法、キャラメル・グレープフルーツ・ミルクチョコレートの味わいをまとめる
アルゼンチン ユンガス
ワインの国の珈琲フロンティア——サルタ州の亜熱帯雲霧林が育むカトゥアイ
マルベックで名高いアルゼンチン北西部・サルタ州のユンガス雲霧林では、カトゥアイ種アラビカが在来樹の日陰で栽培される。Café Baritúなどの小さな生産者が育てるチョコレートとカラメルの風味は、アルゼンチン産コーヒーの新しい可能性を静かに示している
ベリーズ ガロン・ジャグ
マヤの森とシェードの農園が育てるベリーズのコーヒー
ベリーズ北西部のガロン・ジャグ農園では、熱帯林の樹陰でアラビカとロブスタが栽培される。南部トレド県はケクチ・マヤとモパン・マヤの農家がカカオを育ててきた地域。チョコレートとキャラメル、熱帯果実の穏やかな甘さを持つ小さな産地
アンゴラ ウィジェ
かつて世界第4位、内戦を越えて甦るアンボイム・ロブスタ
1970年代に世界第4位の生産国として輝いたアンゴラが内戦で荒廃した農園から半世紀を経て復活しつつあり、ウィジェ州固有品種アンボイム・ロブスタとフワンボ高地のアラビカがアフリカの眠れる巨人の新章を刻む
ミャンマー シャン州 ユワンガン
紛争と復興を経て世界に届く山岳の明るい一杯
ミャンマー南部シャン州のユワンガンは標高1,300〜1,600mの山岳地帯。1885年に南部のミェイ・ダウェー地方へ伝わったコーヒーは、郡内約125村のうち90村で栽培されるまでに広がり、明るい酸味と花のような香りで世界のスペシャルティ市場に名乗りを上げています
コンゴ民主共和国 キブ|コーヒーの味・キブ湖畔の協同組合
キブ湖のほとりで、協同組合が磨くウォッシュドのコーヒー
コンゴ民主共和国(DRC)東部、ルワンダ国境のキブ湖周辺の高地で育つブルボン主体のスペシャルティコーヒー。SOPACDIやMuunganoなどの協同組合がフェアトレード認証・直接取引で輸出に取り組む産地で、丁寧なフリーウォッシュがライム・イチジク・ダークチョコの多層的なカップを生みます
オーストラリア スカイベリー
南半球の高原で、豪州初の商業コーヒー農園を掲げるスカイベリーのアラビカ
クイーンズランド州マリーバの高原で育つオーストラリア・スカイベリーのコーヒーです。1987年に開園し、豪州初の商業コーヒー農園を掲げる同園の歴史と、機械収穫を前提とした栽培・ウォッシュト精製を紹介します
グアテマラ アンティグア|コーヒーの味・火山盆地と8産地の違い
三火山に囲まれたアンティグアから高地ウエウエテナンゴまで、8つの産地で性格が分かれる中米コーヒー
グアテマラ アンティグアはどんな味か。アグア・フエゴ・アカテナンゴの三火山に囲まれた盆地で生産される、スモーキーとも表現されるコクを中心に、アンティグア・ウエウエテナンゴなど8つのスペシャルティ産地の気候差と最高等級SHBの基準まで整理します
ブラジル サントスNo.2とは|定番のブラジルコーヒーの味・精製方法・焙煎度
世界標準のナチュラル――チョコとナッツが折り重なる濃密な一杯
「サントスNo.2」は、サントス港経由で輸出されるブラジルコーヒーの格付け名で、同国を代表するグレードです。ナチュラル精製によるダークチョコレート・アーモンド・キャラメルのような香りと穏やかな酸味、おすすめの焙煎度と淹れ方を解説します
ホンジュラス マルカラ|コーヒーの味・産地・COE入賞豆の特徴
USDA FASの予測で中米最大の生産国とされた国の高地コーヒー
ホンジュラス コーヒーはどんな味か。USDA FASの報告(予測)で2011/12年度に中米最大の輸出国、2020/21年度に中米最大の生産国とされた国。コパンやマルカラなど地域ごとの個性と、2024年COE(カップ・オブ・エクセレンス)ホンジュラス大会の結果から見る注目産地です
参考文献・情報ソース