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世界コーヒー生産国 完全データ 2026年版 — 上位25カ国の生産量・品種・精製方法を一覧化

一次資料

USDA FASとICOの一次データで見る、生産量・主要品種・精製方法・栽培標高・収穫期の国別比較表

USDA FAS「Coffee: World Markets and Trade」2026年7月版を軸に、コーヒー生産量上位25カ国の生産量(60kg袋換算)・主要品種・精製方法・栽培標高帯・収穫期を一次資料ベースで一覧化しました。世界生産のほぼ全量をカバーする国別比較データです


この記事の要点

  • USDA FASの2026年7月版によると2025/26年の世界生産は178.8百万袋(60kg換算)、2026/27年はブラジルの記録的豊作見通しで189.7百万袋への拡大が予測されている
  • 生産量上位はブラジル63.0百万袋・ベトナム31.7百万袋・コロンビア12.5百万袋・インドネシア12.4百万袋・エチオピア11.6百万袋の順で、上位5カ国だけで世界生産の約73%を占める
  • 上位25カ国で世界生産の約99%をカバーし、精製方法はウォッシュドが主流だがブラジル・ベトナム・インドネシアなど生産量上位国はナチュラル/ウェットハルが中心
  • 世界のアラビカ比率は2025/26年に52.8%まで落ち込んだ後、2026/27年はブラジルのアラビカ回復で55.8%へ戻る見通し
  • 生産国ごとに出荷年(マーケティングイヤー)の起点が7月・10月・4月などバラバラなため、国別統計を比較する際は基準年のズレに注意が必要

このブログではブラジルエチオピア イルガチェフェのように、産地・銘柄ごとに1本ずつ記事を書いてきました。このページはその逆で、多数の産地記事を束ねる「横串」の一覧データです。世界のコーヒー生産量上位25カ国について、生産量・主要品種・精製方法・栽培標高帯・収穫期を、米農務省海外農業局(USDA FAS)と国際コーヒー機関(ICO)の一次データに基づいて1つの表にまとめました。特定の産地を深掘りしたいときは、表の国名から個別記事へ進んでください。

生産量ランキング — 上位25カ国

USDA FASが2026年7月に公表した「Coffee: World Markets and Trade」によると、2025/26年の世界のコーヒー生産量は178.8百万袋(60kg袋換算、以下同じ)でした。2026/27年(7月〜翌6月)は、ブラジルのアラビカが天候回復で大幅増産となる見通しから、世界生産は過去最高の189.7百万袋まで拡大すると予測されています。下の表は2025/26年の生産量(USDA FASの推計値〈Estimate〉)で順位付けし、2026/27年は同局の予測値(Forecast)を併記しています。数字はUSDA FAS原表(千袋単位)を百万袋に換算したもので、1未満の国は原表の精度を保つため小数第2〜3位まで表示しています。

コーヒー生産量上位15カ国の棒グラフ、2025/26年、100万袋単位
上位2カ国(ブラジル・ベトナム)だけで世界生産の半分超を占める出典:USDA FAS — Coffee: World Markets and Trade(2026年7月版)
順位 生産量 2025/26(百万袋・60kg換算) 生産量 2026/27予測(百万袋・60kg換算) 世界シェア(25/26)
1 ブラジル 63.0 71.9 35.2%
2 ベトナム 31.7 32.5 17.7%
3 コロンビア 12.5 13.4 7.0%
4 インドネシア 12.4 11.4 6.9%
5 エチオピア 11.6 12.1 6.5%
6 ウガンダ 7.1 7.2 4.0%
7 インド 6.4 6.1 3.6%
8 ホンジュラス 5.5 6.0 3.1%
9 ペルー 4.8 4.8 2.7%
10 メキシコ 4.1 4.1 2.3%
11 グアテマラ 3.2 3.3 1.8%
12 ニカラグア 2.6 2.4 1.4%
13 中国 1.9 1.9 1.1%
14 マレーシア 1.5 1.5 0.8%
15 タンザニア 1.45 1.6 0.8%
16 コートジボワール 1.3 1.3 0.7%
17 コスタリカ 1.16 1.2 0.6%
18 タイ 0.9 0.9 0.5%
19 ケニア 0.85 0.95 0.5%
20 パプアニューギニア 0.8 0.8 0.4%
21 エルサルバドル 0.586 0.542 0.3%
22 ベネズエラ 0.5 0.5 0.3%
23 ラオス 0.475 0.5 0.3%
24 フィリピン 0.45 0.475 0.3%
25 エクアドル 0.35 0.35 0.2%
その他全生産国 1.9 1.9 1.0%
世界計 178.8 189.7 100%

順位は2025/26年(USDA FAS推計値)の生産量順です。2026/27年の予測値で並べ替えると、エチオピア(12.1)がインドネシア(11.4)を上回って4位、タンザニア(1.6)がマレーシア(1.5)を上回って14位、ケニア(0.95)がタイ(0.9)を上回って18位に繰り上がり、ラオスとベネズエラ(ともに0.5)は同順位になります。世界計はUSDA FAS原表の合計値で、四捨五入のため各国値の単純合計とは一致しません(原表の千袋単位では2025/26年178,830・2026/27年189,667千袋)。

上位5カ国(ブラジル・ベトナム・コロンビア・インドネシア・エチオピア)だけで世界生産の約73%、上位25カ国では約99%に達します。世界のコーヒー生産は少数の国に集中しており、特にブラジル1国の作柄が国際相場を大きく動かす構造は2026年のコーヒー価格急騰でも解説した通りです。なおICOの集計では2024/25年のコロンビア生産量を14.87百万袋(前年比16.5%増)としており、USDA FASの同年推計(14.8百万袋)とおおむね一致しています。

品種・精製方法・栽培標高・収穫期 — 主要生産国プロフィール比較

生産量だけでは、その国のコーヒーがどんな味わいなのかは分かりません。同じ「上位25カ国」でも、主流の品種・精製方法・栽培標高・収穫期はまったく違います。各国の値は、このブログで公開している産地記事の記述(一次資料で個別に検証済み)と、収穫期については複数のコーヒー産地情報サイトを突き合わせて整理しました。なお、これらの値は各国で高品質豆として流通する代表的な産地のものです。マレーシア・タイ・フィリピン・エクアドルのように、国全体の生産量ではロブスタが主力の国でも、この表では主にアラビカの主要産地の品種・栽培標高を記載しています。

主要品種 主要精製方法 栽培標高帯 収穫期の目安
ブラジル ムンドノーボ、カトゥアイ、ブルボン ナチュラル 800〜1,300m 5〜9月
ベトナム ロブスタ ナチュラル 400〜1,600m 10月〜翌1月
コロンビア カスティージョ、カトゥーラ ウォッシュド 1,700〜2,200m メイン10〜翌2月/ミタカ4〜6月
インドネシア ハイブリッドティモール等(アラビカ)/国全体はロブスタが8割超 ウェットハル(スマトラ式) 1,000〜1,500m(スマトラ高地) 5〜9月中心(地域差あり)
エチオピア 在来種(ヘイルーム) ウォッシュド/ナチュラル 1,500〜2,200m 10月〜翌1月
ウガンダ ロブスタ主体、東部にアラビカ(SL14・SL28) ロブスタはナチュラル、アラビカはウォッシュド 900〜2,300m(低地ロブスタ〜高地アラビカ) 地域差が大きく3〜6月・9〜11月に集中
インド ロブスタ中心、アラビカはS795等 ウォッシュド(一部モンスーニング) 1,000〜1,500m(カルナータカ高地) 11月〜翌2月
ホンジュラス カトゥーラ、パカス、ブルボン ウォッシュド 1,000〜1,700m 11月〜翌3月
ペルー カトゥーラ、ブルボン、ティピカ ウォッシュド 1,400〜2,050m 4〜9月(ピーク5〜8月)
メキシコ ブルボン、ティピカ、在来種 ウォッシュド 1,200〜1,750m 11月〜翌3月
グアテマラ カトゥアイ、カトゥーラ、ブルボン ウォッシュド 1,200〜2,000m 11月〜翌4月
ニカラグア カトゥーラ、ブルボン ウォッシュド 1,000〜1,700m 11月〜翌3月
中国 カティモール ウォッシュド 産地差あり(保山GIは1,000〜1,500m) 11月〜翌3月
タンザニア ブルボン、ティピカ ウォッシュド 1,400〜2,000m 7〜12月中心(西部は5〜10月)
マレーシア カティモール、カトゥーラ、ティピカ ウォッシュド 1,200〜1,500m 5〜10月
コートジボワール アラブスタ、ロブスタ ナチュラル 600〜800m(マン山地) 8月〜翌1月
コスタリカ ヴィラサルチ系、カトゥーラ ハニー(レッド) 1,200〜1,900m 11月〜翌3月
ケニア SL28、SL34 ダブルウォッシュト 1,400〜2,100m メイン10〜12月/フライ6〜8月
タイ カティモール、カトゥアイ、カトゥーラ、ブルボン、ティピカ ウォッシュド 900〜1,600m 11月〜翌4月
パプアニューギニア ブルーマウンテン系統、ティピカ ウォッシュド 1,500〜1,800m 6〜9月中心(地域差あり)
エルサルバドル パカマラ、パカス、ブルボン ウォッシュド 900〜1,800m 11月〜翌3月
ラオス ティピカ(アラビカ)、ロブスタ ウォッシュド 1,000〜1,350m アラビカ10〜12月/ロブスタ12月〜翌2月
ベネズエラ ブルボン、ティピカ ウォッシュド 1,200〜2,000m以上 10月〜翌2月
フィリピン カペン・バラコ(リベリカ) ナチュラル 300〜1,100m(高地帯は900〜1,100m) 10月〜翌1月(バラコ最盛期は11〜12月)
エクアドル シドラ、ティピカ ウォッシュド 1,700〜1,900m 5〜9月

精製方法を並べると、上位25カ国のうち過半数がウォッシュドを主流としている一方、生産量トップ2のブラジル・ベトナムはどちらもナチュラルが中心という対比が見えます。同じくロブスタ比率が高いインドネシア・ウガンダ・インドも、天日で丸ごと乾燥させる工程を含む点で共通しています。精製方法が味に与える影響は精製方法ガイド、標高と品質の関係は標高と品質の関係ガイドで詳しく解説しています。

アラビカとロブスタ、比率はどう変わっているか

世界のアラビカとロブスタの生産量推移、2021/22年から2026/27年予測まで、積み上げ棒グラフ
2025/26年はロブスタ比率が47.2%まで上昇、2026/27年はブラジルの回復でアラビカ比率が再上昇する見通し出典:USDA FAS — Coffee: World Markets and Trade(2026年7月版)

世界のアラビカ生産比率は2023/24年に57.4%まで上がった後、2024/25年は57.8%とほぼ横ばい、2025/26年には52.8%まで低下しました。ブラジルのアラビカが天候不順で5年連続の不作となった影響が大きく、その間にベトナム・インドネシア・ウガンダ・インドといったロブスタ主産地の増産が世界生産全体を下支えしました。2026/27年はブラジルのアラビカが前年比950万袋増の4,750万袋まで回復する見通しで、アラビカ比率も55.8%へ戻ると予測されています。ロブスタが伸びた背景や価格への影響はアラビカ種とロブスタ種の違いでも整理しています。

数字を読むときの注意点

この表を他の統計と突き合わせるときに、知っておくと誤読を防げる点が3つあります。

  • マーケティングイヤーが国ごとに違う:USDA FASの統計では、ブラジルは7月起点(7月〜翌6月)、コロンビアは10月起点、インドネシアは4月起点というように、生産国ごとに異なる基準年が使われています。「2025/26年」という表記が指す実際の期間は国によってズレるため、暦年の数字と単純比較しないよう注意が必要です。
  • 推計値と予測値が混在する:直近の年(この記事では2025/26年)はUSDA FASの推計値(Estimate)、翌年(2026/27年)は天候次第で変動する予測値(Forecast)です。2024/25年以前も収穫統計が出そろうまで改訂される推計ベースで、この表に確定値はありません。USDA FASはこのレポートを年2回改訂しており(直近は2025年12月版と2026年7月版)、次回改訂は2026年12月16日を予定しています。
  • ICOとUSDAで数字が微妙に異なる:両者は独立した集計・推計手法を使っているため、同じ国・同じ年でも数字が完全には一致しません。この記事のコロンビアの例のように、大きくズレていないかを確認する目安として2つの一次資料を突き合わせるのがおすすめです。

まとめ — 個別の産地は記事へ

生産量という一つの軸で並べただけでも、コーヒーの世界地図は「ブラジルとベトナムの2強+その他多数」という単純な構造ではなく、精製方法・標高・収穫期がまったく異なる国々の集合であることが見えてきます。表の国名リンクから、それぞれの産地記事・地域別ページに進んで、生産量の裏にある土壌・品種・農園の物語を読み進めてください。データの更新は、USDA FASの改訂(次回2026年12月)に合わせて行う予定です。

よくある質問

世界最大のコーヒー生産国はどこですか
ブラジルです。USDA FAS「Coffee: World Markets and Trade」2026年7月版によると、2025/26年の生産量は約63.0百万袋(60kg換算)で世界生産(178.8百万袋)の約35%を占め、2位ベトナム(31.7百万袋)の約2倍にあたります。2026/27年はアラビカの回復により71.9百万袋という記録的な水準まで拡大すると予測されています。
生産量上位の国は何カ国で世界生産の何%をカバーしますか
上位5カ国(ブラジル・ベトナム・コロンビア・インドネシア・エチオピア)で世界生産の約73%、上位25カ国では約99%をカバーします。裏を返せば、コーヒーの世界生産は少数の国に集中した構造であり、上位国の天候・政策変化が国際相場に直結しやすい理由でもあります。
アラビカとロブスタ、世界的にどちらが多く生産されていますか
僅差でアラビカが多い年が続いていますが、比率は年によって変動します。USDA FASによると世界のアラビカ比率は2023/24年の57.4%から2025/26年には52.8%まで低下し、ロブスタが47.2%まで肉薄しました。2026/27年はブラジルのアラビカ大豊作見通しで55.8%へ戻ると予測されています。ベトナム・インドネシア・ウガンダ・インドといったロブスタ主産地の増産傾向が、ここ数年の比率変化を牽引しています。
なぜ国によってコーヒーの統計年(マーケティングイヤー)が違うのですか
コーヒーは国ごとに収穫期が異なるため、USDA FASやICOの統計は収穫サイクルに合わせた「マーケティングイヤー」を国ごとに設定しています。例えばブラジルは7月起点(7月〜翌6月)、コロンビアは10月起点、インドネシアは4月起点です。異なる国の数字を比較・合算するときは、暦年ではなくこの基準年のズレを意識する必要があります。

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